ペンドラムテスト開始時に解除される下腿部支持力の減衰パターンの測定

座位のペンドラムテストで利用される膝関節角加速度波形には、テスト開始後にも残る下腿部支持力(残余力)により測定誤差が発生し得る。筆者らはこれまでこの測定誤差を補正するために残余力の減衰パターンを暫定的に直線で近似してきた。本研究では実際に測定した残余力をもとにしてより高精度の減衰パターンを導出した。残余力はペンドラムテスト実施途上で下腿部を支持する験者の手掌部に圧力センサを装着することで測定した。このときの被験者数は健常者2人、それぞれについて初期膝関節角度を3種類、測定回数を5回とした。測定した減衰パターンを規格化した結果、2次関数 -a1 t2-a2 t+1 により精度よく近似できることが...

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Published in生体医工学 Vol. Annual58; no. Abstract; p. 396
Main Authors 楠原, 俊昌, 軸屋, 和明, 道西, 博行, 中村, 隆夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2020
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual58.396

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Summary:座位のペンドラムテストで利用される膝関節角加速度波形には、テスト開始後にも残る下腿部支持力(残余力)により測定誤差が発生し得る。筆者らはこれまでこの測定誤差を補正するために残余力の減衰パターンを暫定的に直線で近似してきた。本研究では実際に測定した残余力をもとにしてより高精度の減衰パターンを導出した。残余力はペンドラムテスト実施途上で下腿部を支持する験者の手掌部に圧力センサを装着することで測定した。このときの被験者数は健常者2人、それぞれについて初期膝関節角度を3種類、測定回数を5回とした。測定した減衰パターンを規格化した結果、2次関数 -a1 t2-a2 t+1 により精度よく近似できることが判明した。ここに、a1 、a2は測定の度に異なる値をとる定数である。この2次関数を逆シミュレータに組み込んだ上で痙縮を評価すれば、残余力の影響が補正できると期待される。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual58.396