慢性心不全患者における早期再分極と突然死についての検討

背景:近年,健康成人における下壁誘導,側壁誘導の早期再分極(ER)は突然死と関係するとの報告が散見される.しかし,慢性心不全(CHF)患者における報告は少ない. 目的:CHF患者の突然死とERの関係を明らかにする. 方法:対象は左室駆出率40%以下で脚ブロックを呈さないCHF患者91例.標準12誘導心電図にて0.1mV以上のERを認めた15例(ER群;男性13例,66.2±8.0歳)と認めない76例(N群;男性58例,61.8±13.7歳)の2群で,突然死の発生を前向きに検討した. 結果:平均観察期間6.7年で20例が突然死した.ER群はN群に比して有意に多く突然死した(46% vs 17%,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in心臓 Vol. 44; no. SUPPL.2; p. S2_158
Main Authors 古川, 善郎, 山田, 貴久, 森田, 孝, 田中, 耕史, 岩崎, 祐介, 川崎, 真佐登, 蔵本, 勇希, 内藤, 尚, 藤本, 忠男, 小津, 賢太郎, 近藤, 匠巳, 仙石, 薫子, 山本, 泰士, 福並, 正剛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2012
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:背景:近年,健康成人における下壁誘導,側壁誘導の早期再分極(ER)は突然死と関係するとの報告が散見される.しかし,慢性心不全(CHF)患者における報告は少ない. 目的:CHF患者の突然死とERの関係を明らかにする. 方法:対象は左室駆出率40%以下で脚ブロックを呈さないCHF患者91例.標準12誘導心電図にて0.1mV以上のERを認めた15例(ER群;男性13例,66.2±8.0歳)と認めない76例(N群;男性58例,61.8±13.7歳)の2群で,突然死の発生を前向きに検討した. 結果:平均観察期間6.7年で20例が突然死した.ER群はN群に比して有意に多く突然死した(46% vs 17%,p<0.05).Cox回帰分析では有意にER群が突然死と関係していた(p<0.01,CI;1.35-8.79). 結語:慢性心不全患者における早期再分極は突然死の予測因子となり得る.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.44.S2_158