統計的形状モデルとサポートベクターマシンを用いた関節リウマチ進行度推定

現在,本邦では約70万人の慢性関節リウマチ患者が存在し,毎年数万人ずつ増加している.リウマチの進行度は,mTS(modified Total Sharp)という単純X線画像から計測できるスコアで定量化できるが,各指関節のスコアを手動で決定するには膨大な作業時間を要するため,臨床現場ではほとんど使用されていない.そのため,mTSスコアの導入によるリウマチ診断の質の向上のため,mTSスコアを自動で計測するシステムが求められている.我々はこれまで,サポートベクターマシン(SVM: support vector machine)による手指関節位置自動検出法(SVM関節検出法と呼ぶ)およびサポートベクタ...

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Published in生体医工学 Vol. Annual58; no. Abstract; p. 277
Main Authors 中津, 康平, 小橋, 昌司, 盛田, 健人
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2020
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Summary:現在,本邦では約70万人の慢性関節リウマチ患者が存在し,毎年数万人ずつ増加している.リウマチの進行度は,mTS(modified Total Sharp)という単純X線画像から計測できるスコアで定量化できるが,各指関節のスコアを手動で決定するには膨大な作業時間を要するため,臨床現場ではほとんど使用されていない.そのため,mTSスコアの導入によるリウマチ診断の質の向上のため,mTSスコアを自動で計測するシステムが求められている.我々はこれまで,サポートベクターマシン(SVM: support vector machine)による手指関節位置自動検出法(SVM関節検出法と呼ぶ)およびサポートベクター回帰(SVR: support vector regression)を用いたmTSスコアの自動推定法を提案した.本研究では,これらの精度向上のため,手指関節と指先の位置関係をモデル化した統計的形状モデル(SSM: statistical Shape Model)で最適化する検出法(SVM-SSM関節検出法)を提案する.また,アノテーション済みの指関節切り出し画像をクラスタリングし,学習データから外れ値を除外することで,mTSスコアの推定精度を向上する.提案手法を90名のリウマチ患者の単純X線画像に適用した結果,指関節を94.5%,指先を83.3%の精度で検出した.また,mTSスコアに関しても精度の向上が見られた.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual58.277