多元計算解剖学の生体医工学における展開

手術ロボットの安全で効果的な制御システムを実現するためには、術中情報が有用である。しかし、この情報は限られているため、治療に対する正確応答を予測することは困難である。もし多元計算解剖情報を術中情報と組み合わせる、患者固有のモデルを構築することができれば、ロボットは術中の生物学的反応を正確に予測することが可能となり、より安全な治療が実現できる。以上の背景より我々は、(1)多元計算解剖モデルの個別化に有効な術中局所情報の取得法の開発、(2)術中局所情報と多元計算解剖モデルの統合による患者固有の多元計算解剖情報の構築手法の開発、(3)患者固有の多元計算解剖情報に基づく手術支援ロボットの制御法の開発を...

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Published in生体医工学 Vol. Annual58; no. Abstract; p. 129
Main Authors 小林, 英津子, 金, 大永, 佐久間, 一郎, 馬, 青川, 中川, 桂一, 正宗, 賢
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2020
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual58.129

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Summary:手術ロボットの安全で効果的な制御システムを実現するためには、術中情報が有用である。しかし、この情報は限られているため、治療に対する正確応答を予測することは困難である。もし多元計算解剖情報を術中情報と組み合わせる、患者固有のモデルを構築することができれば、ロボットは術中の生物学的反応を正確に予測することが可能となり、より安全な治療が実現できる。以上の背景より我々は、(1)多元計算解剖モデルの個別化に有効な術中局所情報の取得法の開発、(2)術中局所情報と多元計算解剖モデルの統合による患者固有の多元計算解剖情報の構築手法の開発、(3)患者固有の多元計算解剖情報に基づく手術支援ロボットの制御法の開発を行ってきた。本報では、内視鏡下手術、口腔外科手術を対象に行ってきた以下の成果について報告する。(i)内視鏡下大腸外科手術を対象とした、術中限定情報と術前精密情報を組み合わせたナビゲーションシステム(ii)膵体尾切除術を対象とした、力学に基づく膵臓損傷の分析、(iii)口腔外科手術を対象としたナビゲーションおよびロボットシステム。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual58.129