薄層クロマトグラフィー及びガスクロマトグラフィーを用いたヒト血しょう,血小板,赤血球膜の脂質画分の高級脂肪酸の定量法

• Published in: 分析化学 Vol. 32; no. 3; pp. 174 - 178
• Main Authors: 田村, 泰, 藤田, 孝夫, 小沢, 昭夫, 寺野, 隆, 神保, 裕江, 平井, 愛山, 熊谷, 朗, 中村, 恵以子, 浜崎, 智仁
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 日本分析化学会 01.03.1983
• ISSN: 0525-1931
• DOI: 10.2116/bunsekikagaku.32.3_174

生体試料中の種々の脂質中の高級多価不飽和脂肪酸を精度よく分離定量する目的でヒト血しょう,血小板,赤血球膜ゴーストから総脂質を抽出した後薄層クロマトグラフィーによりリン脂質,中性脂肪,コレステロールエステル及び遊離脂肪酸を分離し三フッ化ホウ素メタノールによりメチルエステル化しガスクロマトグラフィーで分離定量した.抽出操作中の脂肪酸の酸化を防止する目的で0.2%のブチルヒドロキシトルエンを添加し薄層クロマトグラフィー上の試料の検出に蛍光物質を用いたところ回収率,再現性ともに良好な結果が得られた。更に高度に精製されたエイコサペンタエン酸エチルエステル摂取後の健常人において,血しょう,血小板,及び赤血球膜ゴーストのいずれのリン脂質画分においても有意のエイコサペンタエン酸の増加を認めた.本法は種々の生体試料中の脂質画分での高級脂肪酸の定量法の一つとして有用と考えられる.