乳房再建術中支援のためのリアルタイム情報提示システム

乳房再建における乳房形状の定量的な評価指標は未だ確立されておらず,それに伴う術後乳房形状の整容性低下が課題として挙げられている.我々は乳腺切除前と再建術中の三次元形状差分情報を求め,局所の形状差情報を患者の皮膚表在へプロジェクションマッピングするシステムを開発し既報にて報告した.本システムを用いた形成外科専門医によるシステム評価により,計算処理が煩雑であること,形状情報がより迅速に把握できることが望ましいなどの課題が明らかとなった.そこで本研究では術前ではなく左右の対側の乳房形状を基準に,形状差情報をリアルタイムに計算してプロジェクションマッピングに反映させる高速投影システムを開発することを目...

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Published in生体医工学 Vol. Annual58; no. Abstract; p. 260
Main Authors 千葉, 慎二, 鈴木, 孝司, 矢野, 智之, 金子, 晃太郎, 鷲尾, 利克, 荒船, 龍彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2020
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual58.260

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Summary:乳房再建における乳房形状の定量的な評価指標は未だ確立されておらず,それに伴う術後乳房形状の整容性低下が課題として挙げられている.我々は乳腺切除前と再建術中の三次元形状差分情報を求め,局所の形状差情報を患者の皮膚表在へプロジェクションマッピングするシステムを開発し既報にて報告した.本システムを用いた形成外科専門医によるシステム評価により,計算処理が煩雑であること,形状情報がより迅速に把握できることが望ましいなどの課題が明らかとなった.そこで本研究では術前ではなく左右の対側の乳房形状を基準に,形状差情報をリアルタイムに計算してプロジェクションマッピングに反映させる高速投影システムを開発することを目的とした.KinectV2にて計測できる3次元形状情報のうち従来使用したSTLではなく2次元の深度画像であるDepth Mapを利用し,特定のフレームで計測したDepth Mapと現在のDepth Mapの輝度値差分を導出し,プロジェクションマッピングすることとした.システム評価として,まず患者を模擬したマネキン上半身を手術ベッドに設置し,乳房部分を取り外して再建中の形状差を再現し,システムを適用して計測と投影実験を行った.プロジェクタの投影方向に制限は生じるが,従来必要だった三次元形状データ上への形状差分テクスチャ貼り付け工程無しに,形状差情報を皮膚表在へ投影が可能となったので報告する.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual58.260