術中支援を目的とした臨床情報解析システムの開発
脳神経外科手術では,手術中に様々な意思決定が行われる.たとえば,脳機能部位(言語野や運動野など)が,術中迅速診断で再発の可能性が高いと判断された場合,術者の経験から摘出範囲を意思決定しなければならない.その判断の質を向上するため,医師は術中の患者状態や電子カルテの診療情報だけでなく,手術室内にある生体情報,診療情報,手術経過,病理結果などの様々な情報を収集し,最適な手術方針を決定している.本研究では,術中意思決定支援のため,これらの情報を蓄積・解析・フィードバック可能な臨床情報解析システム(Clinical Information Analyzer : C.I.A.)の構築を目的とした.方法と...
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Published in | 生体医工学 Vol. Annual58; no. Abstract; p. 350 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2020
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual58.350 |
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Summary: | 脳神経外科手術では,手術中に様々な意思決定が行われる.たとえば,脳機能部位(言語野や運動野など)が,術中迅速診断で再発の可能性が高いと判断された場合,術者の経験から摘出範囲を意思決定しなければならない.その判断の質を向上するため,医師は術中の患者状態や電子カルテの診療情報だけでなく,手術室内にある生体情報,診療情報,手術経過,病理結果などの様々な情報を収集し,最適な手術方針を決定している.本研究では,術中意思決定支援のため,これらの情報を蓄積・解析・フィードバック可能な臨床情報解析システム(Clinical Information Analyzer : C.I.A.)の構築を目的とした.方法として,臨床研究データベースの診療情報やスマート治療室SCOTから抽出される医療機器情報を解析し,患者の予後予測モデルを開発する.結果として,電子カルテから抽出されるSS-MIX2の情報,および標準脳等の外部入力データを取り込み可能なDWHを構築できた.さらに,本院にて脳腫瘍外科手術を受けた患者の診療情報(部位,年齢,病理結果,生存日数など)から,生存予後予測のプロトタイプモデルが開発できた.今後の展開として,リハビリ等の情報を取り込むことでデータセットの拡充を図り,モデル精度を向上させる. |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual58.350 |