入浴時ヒートショックの危険度判定のための冷温熱刺激装置と血管透過撮影装置の作製と評価
本邦における入浴関連事故死者数は1年間で約1万9千人であり、この10年間で約1.7倍に増加したと報告されている。死亡原因としては、居住空間内での寒暖差による血圧の急変に起因する失神や脳出血等であると言われており、この様な症状を入浴時ヒートショック(HS)という。死亡者数の9割は血液循環機能等が低下した高齢者が占めるとする報告もある。現状のHS対策としては、寒暖差減少を目的とした脱衣所等へのヒータ設置や住居の断熱構造化等があるが、死亡者数が大幅に増加している現状から環境整備による既存対策のみではHSを完全に防止することはできないと考えられる。また、個人におけるHSの体質的な危険性を定量評価できる...
Saved in:
Published in | 生体医工学 Vol. Annual58; no. Abstract; p. 282 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2020
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual58.282 |
Cover
Summary: | 本邦における入浴関連事故死者数は1年間で約1万9千人であり、この10年間で約1.7倍に増加したと報告されている。死亡原因としては、居住空間内での寒暖差による血圧の急変に起因する失神や脳出血等であると言われており、この様な症状を入浴時ヒートショック(HS)という。死亡者数の9割は血液循環機能等が低下した高齢者が占めるとする報告もある。現状のHS対策としては、寒暖差減少を目的とした脱衣所等へのヒータ設置や住居の断熱構造化等があるが、死亡者数が大幅に増加している現状から環境整備による既存対策のみではHSを完全に防止することはできないと考えられる。また、個人におけるHSの体質的な危険性を定量評価できる装置も開発されていないことから、他の予防法も検討できない状況にある。そこで、本研究ではHSの危険度判定システムの構築を目的に、ペルチェ素子を用いた冷温熱刺激装置と血圧変動に大きな影響を与える末梢血管の近赤外透過撮影装置を開発し、熱刺激に対する血管の収縮拡張機能を評価したため、その結果について報告する。 |
---|---|
ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual58.282 |