HPVワクチンの接種の機会における保護者の説明と子宮頸がん予防行動との関連 女子中学生の場合

「I. 諸言」子宮頸がんの罹患率は, 20~30歳代の女性に多く, とくに20歳台女性で増加傾向にあり, 予防啓発は極めて重要な課題である. 子宮頸がんはヒトパピロマウィルス(HPV)による性感染で発症し, 性経験の若年化傾向は子宮頸がんの早期発症に関連している. HPVワクチンは, 子宮頸がん予防ワクチンとして2010年から中高生が接種できるようになり, 思春期を対象にした唯一のワクチンとなった. HPVワクチンは個別接種で行われるため医療機関に行く必要があり, その前には接種について保護者から子どもへの説明が必要である. HPVワクチン接種の説明時は, ワクチン接種, 子宮頸がん検診の推奨...

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Published in日本衛生学雑誌 Vol. 71; no. 1; pp. 69 - 75
Main Authors 山田, 和子, 森岡, 郁晴, 古田, 和恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本衛生学会 2016
日本衛生学会
Subjects
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ISSN0021-5082
1882-6482
DOI10.1265/jjh.71.69

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Summary:「I. 諸言」子宮頸がんの罹患率は, 20~30歳代の女性に多く, とくに20歳台女性で増加傾向にあり, 予防啓発は極めて重要な課題である. 子宮頸がんはヒトパピロマウィルス(HPV)による性感染で発症し, 性経験の若年化傾向は子宮頸がんの早期発症に関連している. HPVワクチンは, 子宮頸がん予防ワクチンとして2010年から中高生が接種できるようになり, 思春期を対象にした唯一のワクチンとなった. HPVワクチンは個別接種で行われるため医療機関に行く必要があり, その前には接種について保護者から子どもへの説明が必要である. HPVワクチン接種の説明時は, ワクチン接種, 子宮頸がん検診の推奨に加え, 性教育を合わせた3つをセットにした子宮頸がん予防行動を行う必要があると指摘されている. 対象年齢である中高生の性に関する状況をみると, 中学1年生の女子の89.1%は初経を体験し, 実感として性の問題を捉えることのできる時期になっている.
ISSN:0021-5082
1882-6482
DOI:10.1265/jjh.71.69