Noncompaction心筋症に対するCRTD治療によりβ遮断薬の増量が可能となり, 心室頻拍発作およびelectrical stormから脱却できた 1例

症例は26歳, 男性. 前医で左室緻密化障害心筋症の診断を受け, さらに心室頻拍の合併もあったことにより, 植込み型除細動器 (ICD) 植え込み手術を受けていた. 今回, 薬剤抵抗性のelectrical storm状態となり, ドクターヘリで当センターへ緊急搬送された. すでにアミオダロンが200mg投与されていたため, 入院後はカルベジロールの増量を行った. 同時にICDの心室頻拍および心室細動ゾーン設定変更を行い覚醒時通電を回避した. また, 中等度心不全を合併していたため, カテコラミン治療も併用した. しかしながらカルベジロール増量により血圧が有意に低下するため, 目標量までの増量...

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Published inShinzo Vol. 45; no. SUPPL.3; pp. S3_179 - S3_183
Main Authors 岩井, 慎介, 沖重, 薫, 長谷川, 智明, 志村, 吏左, 倉林, 学, 井原, 健介, 加藤, 信孝, 畠山, 祐子, 浅野, 充寿, 鈴木, 秀俊, 平尾, 見三, 青柳, 秀史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2013
Japan Heart Foundation
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.45.S3_179

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Summary:症例は26歳, 男性. 前医で左室緻密化障害心筋症の診断を受け, さらに心室頻拍の合併もあったことにより, 植込み型除細動器 (ICD) 植え込み手術を受けていた. 今回, 薬剤抵抗性のelectrical storm状態となり, ドクターヘリで当センターへ緊急搬送された. すでにアミオダロンが200mg投与されていたため, 入院後はカルベジロールの増量を行った. 同時にICDの心室頻拍および心室細動ゾーン設定変更を行い覚醒時通電を回避した. また, 中等度心不全を合併していたため, カテコラミン治療も併用した. しかしながらカルベジロール増量により血圧が有意に低下するため, 目標量までの増量が不可能であった. カルベジロール増量に伴う心室頻拍抑制効果が見られたが, その効果も不十分なため, 心機能改善を図ってCRT-Dへのアップグレードを行った. その後, CRT-Dサポートにより, カルベジロール増量によっても血圧の低下は起こらず, 順調に目標量まで増量可能であった. その後, 心室頻拍は完全に抑制され良好な経過をたどり退院.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.45.S3_179