8.消化器疾患に対する単孔式腹腔鏡下手術 大腸(I)

腹腔鏡下手術は開腹手術に比べ傷が小さいため, 整容性に優れている. 近年導入された, 一カ所の創だけで行う単孔式腹腔鏡下手術は, 従来のマルチポート腹腔鏡下手術を上回る美容上のメリットを有している. この手術は臍部の3~4cmの皮切から, ポートを数本入れて行う鏡視下手術であり, 傷の数が少ないだけでなく, 傷は臍に隠れるため, あたかも手術創がないように治るのが特徴である. 現在当科では虫垂炎, 胆石症, 大腸良性腫瘍と早期癌, 食道良性疾患に対し単孔式手術を行っている. 今回は単孔式手術による結腸切除術について報告する. 単孔式腹腔鏡下手術は小さな創からすべての手術器具を腹腔内へ挿入するた...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 7; no. 1; pp. 4 - 5
Main Authors 小泉, 岐博, 松本, 智司, 佐々木, 順平, 菅, 隼人, 谷, 杏彌, 山田, 岳史, 内田, 英二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2011
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ISSN1349-8975
1880-2877
DOI10.1272/manms.7.4

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Summary:腹腔鏡下手術は開腹手術に比べ傷が小さいため, 整容性に優れている. 近年導入された, 一カ所の創だけで行う単孔式腹腔鏡下手術は, 従来のマルチポート腹腔鏡下手術を上回る美容上のメリットを有している. この手術は臍部の3~4cmの皮切から, ポートを数本入れて行う鏡視下手術であり, 傷の数が少ないだけでなく, 傷は臍に隠れるため, あたかも手術創がないように治るのが特徴である. 現在当科では虫垂炎, 胆石症, 大腸良性腫瘍と早期癌, 食道良性疾患に対し単孔式手術を行っている. 今回は単孔式手術による結腸切除術について報告する. 単孔式腹腔鏡下手術は小さな創からすべての手術器具を腹腔内へ挿入するため, 操作性に制限があり, 従来のマルチポート腹腔鏡下手術より難しい手術と言わざるを得ない. しかし, 手術創はあたかもなくなってしまうように治癒するため整容面での恩恵が大きい. 腹腔鏡下大腸手術のオプションとして有用な手術法である.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.7.4