カテーテルアブレーションがVF発作抑制に有効であった右室流出路心内膜側の異常遅延電位を認めたBrugada症候群の1例

症例は55歳男性. 2001年, 失神を繰り返すBrugada症候群症例として当院にて植え込み型除細動器 (implantable cardioverter defibrillator ; ICD) 移植術施行. その後, 年5回程度の心室細動 (ventricular fibrillation ; VF) によるICD適正作動を認めていた. シロスタゾール, ベプリジルによる薬物療法は発作抑制に無効であった. 2013年7月, ICD作動の自覚有, 当院救急外来受診. ICD記録上, VFに対するICD適正作動を2回認め, 経過観察目的に入院. 入院当日にもVFに対するICD適正作動あり,...

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Published inShinzo Vol. 46; no. SUPPL.2; pp. S2_68 - S2_73
Main Authors 長谷部, 雄飛, 佐竹, 洋之, 平野, 道基, 中野, 誠, 下川, 宏明, 近藤, 正輝, 福田, 浩二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2014
Japan Heart Foundation
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.46.S2_68

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Summary:症例は55歳男性. 2001年, 失神を繰り返すBrugada症候群症例として当院にて植え込み型除細動器 (implantable cardioverter defibrillator ; ICD) 移植術施行. その後, 年5回程度の心室細動 (ventricular fibrillation ; VF) によるICD適正作動を認めていた. シロスタゾール, ベプリジルによる薬物療法は発作抑制に無効であった. 2013年7月, ICD作動の自覚有, 当院救急外来受診. ICD記録上, VFに対するICD適正作動を2回認め, 経過観察目的に入院. 入院当日にもVFに対するICD適正作動あり, VFストームの状態. 左脚ブロック・下方軸の心室性期外収縮 (premature ventricular contraction ; PVC) をトリガーとしたVFが確認され, PVCをターゲットとした高周波カテーテルアブレーション (radiofrequency catheter ablation ; RFCA) の方針となった. RFCA中はclinical PVCがほとんど認められず, pace mapを指標とした. Pace mapが合致する右室流出路では, 前壁から側壁にかけて心室波よりも遅れた異常電位を認め, 同部位に広範に通電を施行した. RFCA後7カ月を経過したが, PVCならびにVFの再発を認めていない. VF発作の基質の可能性がある右室心内膜側の異常遅延電位をもつBrugada症候群症例に対して, RFCAが発作抑制に奏功した一例を経験したので報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.46.S2_68