いのちの医療哲学事始め : 始原東洋医学の立場から澤瀉久敬の『医学概論』を再考する

1. 現代の閉塞感を打破するためには、人間の認識として単細胞レベルから有している原始感覚(印知感覚)を根底とする感性的認識と人間の特徴である理性的認識、さらにはそれらに基づいた実践的行為の3つが調和した、生活者(生かされて活きている存在者)となる必要がある。2. それを実現するためには、理性で捉えた時間・空間に加え、感性で捉えた瞬間(いまここ)を統合することにより、世界観・生命観・死生観を根本的に捉えなおす必要がある。3. 生活者一人ひとりが《いのち》の主人公となり、セルフケアの実践ならびに自助(セルフケア)・共助(地域包括ケア)・公助(専門医療)の関係を本来の姿へと再構築することにより、より...

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Published in人体科学 Vol. 24; no. 1; pp. 11 - 19
Main Author 渡邉, 勝之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 人体科学会 2015
Society for Mind-Body Science
Subjects
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ISSN0918-2489
2424-2314
DOI10.20788/jmbs.24.1_11

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Summary:1. 現代の閉塞感を打破するためには、人間の認識として単細胞レベルから有している原始感覚(印知感覚)を根底とする感性的認識と人間の特徴である理性的認識、さらにはそれらに基づいた実践的行為の3つが調和した、生活者(生かされて活きている存在者)となる必要がある。2. それを実現するためには、理性で捉えた時間・空間に加え、感性で捉えた瞬間(いまここ)を統合することにより、世界観・生命観・死生観を根本的に捉えなおす必要がある。3. 生活者一人ひとりが《いのち》の主人公となり、セルフケアの実践ならびに自助(セルフケア)・共助(地域包括ケア)・公助(専門医療)の関係を本来の姿へと再構築することにより、より良い医学・医療システムを医療従事者らと共に創造する。4. 《いのち》の働きである《自己治癒力・core》ならびに《自然治癒力・CORE》。これら2つが、医学・医療を必要としない、社会を実現するための《核》となる。
ISSN:0918-2489
2424-2314
DOI:10.20788/jmbs.24.1_11