心室細動蘇生直後にBrugada型心電図を呈し脚枝間リエントリー性心室頻拍を合併した1例
症例は19歳男性. 特記すべき既往歴. 通学中に意識消失, 心肺停止状態でありAEDにより心室細動 (VF) が除細動され, 蘇生し当院へ救急搬送された. 来院時自然停止する左脚ブロック型上方軸の単形性心室頻拍 (VT) を繰り返し, VFに移行した. 洞調律時はV2, V3誘導でtype ⅠのBrugada型心電図を呈していた. 後日施行した心臓電気生理検査では, 洞調律中のHV時間は65msと延長, 上記のVTと同形のVTが誘発され, 頻拍周期は210ms, VT中のHV時間は85msと洞調律時より延長, ヒス束電位は常にVTのQRSに先行し, ヒス束, 右脚電位, 心室電位は常に1 :...
Saved in:
Published in | Shinzo Vol. 46; no. SUPPL.2; pp. S2_62 - S2_67 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2014
Japan Heart Foundation |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
Cover
Loading…
Summary: | 症例は19歳男性. 特記すべき既往歴. 通学中に意識消失, 心肺停止状態でありAEDにより心室細動 (VF) が除細動され, 蘇生し当院へ救急搬送された. 来院時自然停止する左脚ブロック型上方軸の単形性心室頻拍 (VT) を繰り返し, VFに移行した. 洞調律時はV2, V3誘導でtype ⅠのBrugada型心電図を呈していた. 後日施行した心臓電気生理検査では, 洞調律中のHV時間は65msと延長, 上記のVTと同形のVTが誘発され, 頻拍周期は210ms, VT中のHV時間は85msと洞調律時より延長, ヒス束電位は常にVTのQRSに先行し, ヒス束, 右脚電位, 心室電位は常に1 : 1で対応した. 脚枝間リエントリー性心室頻拍と診断. 右脚を通電し, 以降全くVTは誘発されなくなった. VFは非薬物投与下に右室流出路2連期外刺激で誘発され, 通電後も再現性をもって誘発された. ICDを植え込み経過観察中である. 脚枝間リエントリー性心室頻拍を合併したBrugada症候群は比較的稀であり, 考察を加えて報告する. |
---|---|
ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.46.S2_62 |