イベントレコーダーが治療方針の決定に有用であった家族性心筋症と思われる1例

50歳男性. ペースメーカーを植込まれていた父親が50歳代で突然死している. 当院耳鼻科での手術中にモニター心電図上, 数秒のポーズを認め, 当科紹介. Holter心電図では無症候の40秒持続する単形性心室頻拍 (VT) を認めた. VTの頻拍周期は持続と共に約500msec程度から約300msecにまで短縮した. 心臓電気生理学的検査では房室結節不応期が長かったものの, HV時間は正常であり, ISP負荷下の心室プログラム刺激でもVTは誘発されなかった. 冠動脈造影・心臓MRIは正常像であった. 外来にてイベントレコーダー (Sorin社, SPIDERFLASH-t AFIB) を施行し...

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Published inShinzo Vol. 48; no. SUPPL.1; pp. S1_71 - S1_78
Main Authors 前野, 健一, 瀬口, 優, 石山, 将希, 世古, 哲哉, 堀口, 昌秀, 笠井, 篤信, 高村, 武志, 坂部, 茂俊, 刀根, 克之, 森, 一樹, 泉, 大介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2016
Japan Heart Foundation
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.48.S1_71

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Summary:50歳男性. ペースメーカーを植込まれていた父親が50歳代で突然死している. 当院耳鼻科での手術中にモニター心電図上, 数秒のポーズを認め, 当科紹介. Holter心電図では無症候の40秒持続する単形性心室頻拍 (VT) を認めた. VTの頻拍周期は持続と共に約500msec程度から約300msecにまで短縮した. 心臓電気生理学的検査では房室結節不応期が長かったものの, HV時間は正常であり, ISP負荷下の心室プログラム刺激でもVTは誘発されなかった. 冠動脈造影・心臓MRIは正常像であった. 外来にてイベントレコーダー (Sorin社, SPIDERFLASH-t AFIB) を施行したところ, 動悸症状を伴った持続性VTに加え, 無症状の高度房室ブロックがドキュメントされたため, ICD植込みを決断した. 後日得られた心筋生検所見から心筋症が疑われた. EPSを含め侵襲的検査では有意な所見が乏しく一旦経過観察としたが, イベントレコーダーによって新たに高度房室ブロックがドキュメントされ, 躊躇することなくICDを植込むことができた1例であり, イベントレコーダーの有用性が示唆された.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.48.S1_71