冠攣縮を認めた心室細動蘇生後症例の臨床像とその心電図学的特徴

目的 : 当院で心室細動 (VF) 蘇生後, 冠攣縮性狭心症 (VSA) と診断された症例について検討した.  対象と方法 : 対象は, VF蘇生後VSAと診断された10症例 (男6例, 発症時年齢51±12歳) の臨床像を検討した. 器質的冠動脈狭窄病変の有無, 心臓電気生理学的検査 (EPS) でのVF誘発性, VSAに対する内服薬の有無, 非発作時の心電図などについて検討した.  結果 : 75%以上の冠動脈の有意狭窄は3例に認めた. VFは56% (5/9) に誘発された. 発症時にはVSAに対しては未治療であった. 診断後, 内服治療は1例を除く9例に行われ, 8例にICDの植込みが...

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Published in心臓 Vol. 46; no. SUPPL.2; pp. S2_12 - S2_17
Main Authors 文本, 朋子, 上山, 剛, 吉賀, 康裕, 大野, 誠, 福田, 昌和, 加藤, 孝佳, 清水, 昭彦, 矢野, 雅文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2014
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Summary:目的 : 当院で心室細動 (VF) 蘇生後, 冠攣縮性狭心症 (VSA) と診断された症例について検討した.  対象と方法 : 対象は, VF蘇生後VSAと診断された10症例 (男6例, 発症時年齢51±12歳) の臨床像を検討した. 器質的冠動脈狭窄病変の有無, 心臓電気生理学的検査 (EPS) でのVF誘発性, VSAに対する内服薬の有無, 非発作時の心電図などについて検討した.  結果 : 75%以上の冠動脈の有意狭窄は3例に認めた. VFは56% (5/9) に誘発された. 発症時にはVSAに対しては未治療であった. 診断後, 内服治療は1例を除く9例に行われ, 8例にICDの植込みが行われた. 非発作時心電図では5例50% (下壁+側壁誘導 : 2例, 下壁誘導 : 3例, 前壁誘導 : 0例) にJ波を認めた.  結論 : 冠攣縮を認めた心室細動蘇生後症例の特徴として, 下壁誘導あるいは側壁誘導に高率にJ波を認めた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.46.S2_12