Gatifloxacinのヒト髄液中移行の検討

新しく開発されたフルオロキノロン系抗菌薬であるgatifloxacin (GFLX) のヒト髄液中移行を検討した。腰椎麻酔を必要とした手術症例で中枢神経系疾患のない患者に, GFLXを投与した後, 髄液及び血液を採取し, HPLC法で測定した。 本薬剤200mg単回経口投与約3時間後の髄液中及び血清中濃度は, それぞれ0.21±0.16, 1.67±0.43μg/mLであり, 髄液/血清濃度比は0.11±0.07であった。 本薬剤200mgを1日2回, 3日間連続経口投与した場合, 最終投与約3時間後の髄液中及び血清中濃度は, それぞれ0.82±0.31, 2.47±0.96μg/mLであり,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJapanese Journal of Chemotherapy Vol. 47; no. Supplement2; pp. 248 - 252
Main Authors 川原, 元司, 山内, 大司, 中目, 康彦, 牧之瀬, 信一, 速見, 浩士, 松下, 真治, 後藤, 俊弘, 内田, 洋介, 大井, 好忠, 北川, 敏博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本化学療法学会 1999
Japanese Society of Chemotherapy
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1340-7007
1884-5886
DOI10.11250/chemotherapy1995.47.Supplement2_248

Cover

Loading…
More Information
Summary:新しく開発されたフルオロキノロン系抗菌薬であるgatifloxacin (GFLX) のヒト髄液中移行を検討した。腰椎麻酔を必要とした手術症例で中枢神経系疾患のない患者に, GFLXを投与した後, 髄液及び血液を採取し, HPLC法で測定した。 本薬剤200mg単回経口投与約3時間後の髄液中及び血清中濃度は, それぞれ0.21±0.16, 1.67±0.43μg/mLであり, 髄液/血清濃度比は0.11±0.07であった。 本薬剤200mgを1日2回, 3日間連続経口投与した場合, 最終投与約3時間後の髄液中及び血清中濃度は, それぞれ0.82±0.31, 2.47±0.96μg/mLであり, 髄液/血清濃度比は0.35±0.10であった。連続投与群の髄液/血清濃度比は, 単回投与群の約3倍高値を示した。 本薬剤のヒト髄液中への移行性は, 単回投与及び連続投与のいずれにおいても, 他のフルオロキノロン系抗菌薬と同程度であった。安全性について特に問題は認められなかった。
ISSN:1340-7007
1884-5886
DOI:10.11250/chemotherapy1995.47.Supplement2_248