当院における重症肺血栓塞栓症に対する治療成績
心配停止やショックで発症するような重症肺血栓塞栓症は依然として高い死亡率が報告されている. 当院において2006年8月~2013年7月までの7年間に急性肺血栓塞栓症で入院となった101症例のうち, 循環虚脱を呈した32症例に関してその病態・治療法・予後に関して検討した. 32症例は平均年齢65歳で女性が69%を占めていた. うち22症例 (69%) は心配停止状態で来院した患者であり, 残り10症例のショック症例は全例生存退院可能であった. 心配停止症例のうち8症例は社会的背景・病態からご家族が蘇生を希望されず全例死亡した. 残り14症例では11症例でPCPSが, 10症例でt-PAが使用され...
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Published in | Shinzo Vol. 46; no. SUPPL.2; p. S2_38 |
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Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2014
Japan Heart Foundation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.46.S2_38 |
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Summary: | 心配停止やショックで発症するような重症肺血栓塞栓症は依然として高い死亡率が報告されている. 当院において2006年8月~2013年7月までの7年間に急性肺血栓塞栓症で入院となった101症例のうち, 循環虚脱を呈した32症例に関してその病態・治療法・予後に関して検討した. 32症例は平均年齢65歳で女性が69%を占めていた. うち22症例 (69%) は心配停止状態で来院した患者であり, 残り10症例のショック症例は全例生存退院可能であった. 心配停止症例のうち8症例は社会的背景・病態からご家族が蘇生を希望されず全例死亡した. 残り14症例では11症例でPCPSが, 10症例でt-PAが使用されていた. 22症例のうち生存退院が可能であったのは6例であったが, その全例が両側肺動脈中枢に血栓を有していながらインターベンション後に肺動脈のflowが改善した症例であった. 循環動態の破綻した急性肺血栓塞栓症の症例でインターベンションが生存率を上昇させる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.46.S2_38 |