高齢で心室細動で発症し, 完全右脚ブロックにより顕性化したと考えられたBrugada症候群の1例

症例: 80歳代, 男性. 失神の既往はなかった. 2010年2月, テレビ試聴中に一過性に失神し, 前医ICU入室後に突然心室細動が捉えられ電気的除細動にて蘇生に成功した. 冠動脈造影は正常で, 攣縮誘発試験も陰性, 明らかな器質的心疾患は認めなかった. 数年前の心電図では完全右脚ブロックおよびBrugada型心電図でなかったが, 今回, 心室細動発症前後の心電図では, 完全右脚ブロックと, V1のJ点-ST上昇を認めBrugada症候群が疑われた. サンリズム®負荷ではcoved型ST上昇が誘発された. ICD埋め込み後にバックアップレートを60拍/分とし, プレタール®内服を開始したとこ...

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Published inShinzo Vol. 43; no. SUPPL.2; p. S2_11
Main Authors 向井, 靖, 樗木, 晶子, 竹本, 真生, 砂川, 賢二, 船越, 公太, 井上, 修二朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2011
Japan Heart Foundation
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.43.S2_11

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Summary:症例: 80歳代, 男性. 失神の既往はなかった. 2010年2月, テレビ試聴中に一過性に失神し, 前医ICU入室後に突然心室細動が捉えられ電気的除細動にて蘇生に成功した. 冠動脈造影は正常で, 攣縮誘発試験も陰性, 明らかな器質的心疾患は認めなかった. 数年前の心電図では完全右脚ブロックおよびBrugada型心電図でなかったが, 今回, 心室細動発症前後の心電図では, 完全右脚ブロックと, V1のJ点-ST上昇を認めBrugada症候群が疑われた. サンリズム®負荷ではcoved型ST上昇が誘発された. ICD埋め込み後にバックアップレートを60拍/分とし, プレタール®内服を開始したところ右脚ブロックおよびJ-ST上昇は消失した. Brugada症候群はNaチャネル異常による右室流出路の心内膜/心外膜における再分極の時相のばらつきが本態であり, 今回, 完全右脚ブロックをきっかけに顕在化したと考えられた興味深い症例であり報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.43.S2_11