主鎖構造の非対称化による高耐熱かつ非晶性ポリアリレートの合成

芳香族ポリエステルのポリアリレート:PARの高耐熱・透明非晶化および高流動化を目指して,3種のビスフェノール(AとBおよびC)と塩化イソおよび塩化テレフタロイルを原料とし,分子量調整剤(=末端封止剤)の塩化ベンゾイルの存在下,相間移動触媒のテトラブチルアンモニウムブロミドを用いて種々の条件下,室温で重合した.生成した各PARの示差走査熱量分析,熱流動性およびX線回折:XRDパターンの測定から,PARのガラス転移温度,溶解性,および非晶性の程度は,PARを構成する反応基質のビスフェノールや二塩化フタロイルの構造およびそれらの組成比に強く依存することを見いだした.得られたポリマーで作製したキャスト...

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Published in高分子論文集 Vol. 69; no. 9; pp. 520 - 527
Main Authors 山﨑, 隆喜, 竹中, 康, 中嶋, 宏紀, 馬渡, 康輝, 中野, 英之, 田畑, 昌祥
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 2012
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Summary:芳香族ポリエステルのポリアリレート:PARの高耐熱・透明非晶化および高流動化を目指して,3種のビスフェノール(AとBおよびC)と塩化イソおよび塩化テレフタロイルを原料とし,分子量調整剤(=末端封止剤)の塩化ベンゾイルの存在下,相間移動触媒のテトラブチルアンモニウムブロミドを用いて種々の条件下,室温で重合した.生成した各PARの示差走査熱量分析,熱流動性およびX線回折:XRDパターンの測定から,PARのガラス転移温度,溶解性,および非晶性の程度は,PARを構成する反応基質のビスフェノールや二塩化フタロイルの構造およびそれらの組成比に強く依存することを見いだした.得られたポリマーで作製したキャストフィルムのXRD反射パターンの散乱強度は,透明樹脂のPMMAのそれとほぼ同等であり,PARからも透明かつ非晶性の樹脂が新しく得られることを明らかにした.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.69.520