ブルガダ症候群における24時間Holter心電計を用いた心房および心室遅延電位の日内変動の検討

【背景】ブルガダ症候群 (BS) では夜間に心室性不整脈の報告が多い. 一方, 心室遅延電位 (LP) はBSにおいて高率にみられるが, 日内変動についての報告は少ない. 【方法・結果】BS連続31症例で24時間Holter心電計 (Spider View ; Ela Inc) にて測定した. LPは日中, 夜間それぞれ 1点で計測し同時間帯でのRR間隔の周波数解析 (HRV) を行った. LP陽性基準はRMS40<20μVおよびLAS 40>38msとした. 20人が日中, 夜間共に心室LP陽性で 6人が日中, 夜間共に陰性であった. 5人は日中陰性で, 夜間陽転化した. RMS...

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Published in心臓 Vol. 45; no. SUPPL.1; p. S1_13
Main Authors 橋本, 賢一, 笠巻, 祐二, 奥村, 恭男, 矢島, 愛治, 中井, 俊子, 國本, 聡, 渡辺, 一郎, 平山, 篤志, 島袋, 宏明, 関, りえ子, 木村, 正弘, 中山, 智祥
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2013
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Summary:【背景】ブルガダ症候群 (BS) では夜間に心室性不整脈の報告が多い. 一方, 心室遅延電位 (LP) はBSにおいて高率にみられるが, 日内変動についての報告は少ない. 【方法・結果】BS連続31症例で24時間Holter心電計 (Spider View ; Ela Inc) にて測定した. LPは日中, 夜間それぞれ 1点で計測し同時間帯でのRR間隔の周波数解析 (HRV) を行った. LP陽性基準はRMS40<20μVおよびLAS 40>38msとした. 20人が日中, 夜間共に心室LP陽性で 6人が日中, 夜間共に陰性であった. 5人は日中陰性で, 夜間陽転化した. RMS40は, 夜間に日中より低下し (18.1±12.8μV vs 14.9±8.8μV, p=0.1) , LASは夜間に日中と比し有意に延長した (41.5±10.1ms vs 43.1±10.6ms, p<0.05) . HFとLAS間に正の相関 (p<0.01, R=0.3) , LF/HFとLAS間には負の相関を認めた (p<0.05, R=0.3) . filtred P dulationは, 夜間に日中と比し有意に延長した (129.4±12.4 vs 134.9±12.9, p<0.01) がHRV各パラメータとの相関は弱かった. 【結語】BSにおけるLPは自律神経の修飾を受け, 不整脈源性を助長している可能性が示唆された.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.45.S1_13