当院における自動体外式除細動器 (AED) を使用した院内心停止患者の全例調査

当院でのAEDが装着された院内心停止に対する心肺蘇生症例を全例調査した.  対象と方法 : 電子カルテ記録でAEDのキーワードで検索し, AEDが使用された院内心停止を調査した.  結果 : AEDは73症例, 76回に使用された. 平均年齢77.1歳であった. 年次別使用回数は2004年から2012年まで, 各1回, 4回, 5回, 7回, 8回, 10回, 9回, 18回, 14回と年々増加傾向にあった. 使用病棟は循環器40回, 脳外科25回, 救急 (到着後CPA) 6回, その他5回であった. 使用時間帯は平日日勤帯17回, その他が59回であった. 入院主病名は脳疾患25例, 心疾...

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Published inShinzo Vol. 46; no. SUPPL.2; pp. S2_26 - S2_31
Main Authors 山本, 佳征, 蓼原, 太, 森重, 俊彦, 三保, 成正, 片倉, 健二郎, 住居, 晃太郎, 清水, 嘉人, 五明, 幸彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2014
Japan Heart Foundation
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.46.S2_26

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Summary:当院でのAEDが装着された院内心停止に対する心肺蘇生症例を全例調査した.  対象と方法 : 電子カルテ記録でAEDのキーワードで検索し, AEDが使用された院内心停止を調査した.  結果 : AEDは73症例, 76回に使用された. 平均年齢77.1歳であった. 年次別使用回数は2004年から2012年まで, 各1回, 4回, 5回, 7回, 8回, 10回, 9回, 18回, 14回と年々増加傾向にあった. 使用病棟は循環器40回, 脳外科25回, 救急 (到着後CPA) 6回, その他5回であった. 使用時間帯は平日日勤帯17回, その他が59回であった. 入院主病名は脳疾患25例, 心疾患23例, 肺疾患14例, その他11例であった. 心停止の原因は致死性不整脈29回, 呼吸不全27回, 敗血症性ショック9回, 心原性ショック4回, 出血性ショック2回, 電解質異常2回, 不明3回であった. AED作動ありが25例28回, が48例48回であった. AED作動ありの中で心拍再開21例, 生存退院10例. AED作動の中で心拍再開16例, 生存退院8例であった.  結論 : 院内心停止に対し当院ではAEDが積極的に使われている. 脳疾患, 心疾患で使用頻度が高く, 致死性不整脈以外での使用率は62%であった. 休日または勤務時間外に78%使用された. 致死性不整脈は心拍再開率が82%と高く, 生存退院は48%であった. AEDが作動しなくても心拍再開が33%認められ, 生存退院が17%存在した.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.46.S2_26