高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法による畜水産物中動物用医薬品スクリーニング分析法

畜水産物中に残留する動物用医薬品のスクリーニング分析について,イオントラップ機能を有する高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析装置(LC/MS/MS)の活用を検討した.MS/MS条件はポジティブ及びネガティブモード,LC条件はカラムにCadenzaCD-C18を,移動相に0.1% ギ酸-アセトニトリル系を用いて分析した.試料はアセトニトリル/アセトニトリル飽和n-へキサンで抽出し,OasisHLBカートリッジカラムにより精製した.44種の動物用医薬品を対象に検討を実施したところ,高感度プロダクトイオンスキャン分析により同定の指標として有効な化合物の構造情報が得られ,また,マルチプルリアク...

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Published in分析化学 Vol. 56; no. 12; pp. 1105 - 1112
Main Authors 藤巻, 照久, 伊藤, 伸一, 甲斐, 茂美, 金澤, 秀子, 赤星, 猛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本分析化学会 2007
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ISSN0525-1931
DOI10.2116/bunsekikagaku.56.1105

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Summary:畜水産物中に残留する動物用医薬品のスクリーニング分析について,イオントラップ機能を有する高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析装置(LC/MS/MS)の活用を検討した.MS/MS条件はポジティブ及びネガティブモード,LC条件はカラムにCadenzaCD-C18を,移動相に0.1% ギ酸-アセトニトリル系を用いて分析した.試料はアセトニトリル/アセトニトリル飽和n-へキサンで抽出し,OasisHLBカートリッジカラムにより精製した.44種の動物用医薬品を対象に検討を実施したところ,高感度プロダクトイオンスキャン分析により同定の指標として有効な化合物の構造情報が得られ,また,マルチプルリアクションモニタリング分析により高感度な分析が可能となった.ポジティブリスト制度施行に際し,高感度で構造情報を得ることができるイオントラップLC/MS/MSによる分析は有用な手段であり,動物用医薬品のスクリーニング検査に適用できることが分かった.
ISSN:0525-1931
DOI:10.2116/bunsekikagaku.56.1105