肺移植における肺移植内科医育成の必要性

「背景」肺移植は終末期呼吸器疾患の治療オプションとして位置づけられている. しかし, 多くの呼吸器内科医にとって, 肺移植は提案される治療の一つになっているとは言いがたい. なぜなら, 肺移植がどの施設でも実施できる手術ではないこと, 呼吸器外科医が移植登録や術後慢性期管理を行ってきた経緯もあるためである. しかし近年, 移植患者数の増加に伴い, 移植施設の呼吸器外科医だけで術前から術後まで全ての管理を行うことは困難となってくることが予測される. また, 移植前の内科的管理は患者のQOL維持のため不可欠であり, 移植後も免疫抑制薬や抗菌薬などによる長期管理は内科的対応がより重要になってくる....

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Published in移植 Vol. 56; no. 4; pp. 341 - 346
Main Authors 早稲田, 龍一, 岡田, 克典, 平間, 崇, 佐藤, 雅昭, 松本, 桂太郎, 前田, 寿美子, 中島, 崇裕, 狩野, 孝, 春藤, 裕樹, 杉本, 誠一郎, 中島, 大輔, 松田, 安史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本移植学会 2021
日本移植学会
Subjects
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ISSN0578-7947
2188-0034
DOI10.11386/jst.56.4_341

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Summary:「背景」肺移植は終末期呼吸器疾患の治療オプションとして位置づけられている. しかし, 多くの呼吸器内科医にとって, 肺移植は提案される治療の一つになっているとは言いがたい. なぜなら, 肺移植がどの施設でも実施できる手術ではないこと, 呼吸器外科医が移植登録や術後慢性期管理を行ってきた経緯もあるためである. しかし近年, 移植患者数の増加に伴い, 移植施設の呼吸器外科医だけで術前から術後まで全ての管理を行うことは困難となってくることが予測される. また, 移植前の内科的管理は患者のQOL維持のため不可欠であり, 移植後も免疫抑制薬や抗菌薬などによる長期管理は内科的対応がより重要になってくる. 欧米のように呼吸器内科医が移植後管理をリードして診療をしてもよい時期に差し掛かっていると思われる. そのため日本移植学会ではTransplant Physician委員会を設立し, 肺移植後の管理もできる呼吸器内科医, 移植内科医の育成にむけ活動を開始した.
ISSN:0578-7947
2188-0034
DOI:10.11386/jst.56.4_341