上大静脈右房接合部中隔側からの心房細動トリガーに対して行ったカテーテルアブレーションで洞結節動脈の閉塞により一過性洞不全症候群を呈した1例
症例は57歳男性. 過去に発作性心房細動 (PAF) に対してカテーテルアブレーション (CA) を施行後でPAFの再発を認め当院へ紹介, CAの方針となった. まず左上下肺静脈に再伝導を認め, 再隔離した. Isoproterenol投与下で心房細動 (AF) が自然発生し, そのトリガーは右房中隔高位の上大静脈右房接合部だった. 同部位に通電を行ったところ通電後より接合部調律となった. イソプロテレノール投与下にAFが出現しないことを確認し手技を終了した. 術後も接合部調律が持続, その後非通常型心房粗動となり, 症状が持続したため洞機能の評価も含め再度CAとなった. 冠動脈造影では右冠動...
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Published in | Shinzo Vol. 47; no. SUPPL.2; p. S2_70 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2015
Japan Heart Foundation |
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Summary: | 症例は57歳男性. 過去に発作性心房細動 (PAF) に対してカテーテルアブレーション (CA) を施行後でPAFの再発を認め当院へ紹介, CAの方針となった. まず左上下肺静脈に再伝導を認め, 再隔離した. Isoproterenol投与下で心房細動 (AF) が自然発生し, そのトリガーは右房中隔高位の上大静脈右房接合部だった. 同部位に通電を行ったところ通電後より接合部調律となった. イソプロテレノール投与下にAFが出現しないことを確認し手技を終了した. 術後も接合部調律が持続, その後非通常型心房粗動となり, 症状が持続したため洞機能の評価も含め再度CAとなった. 冠動脈造影では右冠動脈からの洞結節動脈 (SNA) は認められず左冠動脈回旋枝からのSNAが閉塞していた. その後右房への心房粗動の治療を行い, 洞調律に復し以後頻拍の再発を認めず経過している. CAでSNAの閉塞を冠動脈造影により確認し得た洞不全症候群は非常に稀であると考えられた. 洞結節は時に1枝支配になっており上大静脈右房接合部中隔側の通電の際には注意を要する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.47.S2_70 |