破裂内頚動脈瘤塞栓術後にPosterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)を発症した1例

「はじめに」posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)は, 高血圧, 子癇, 腎不全, 免疫抑制剤の使用などを背景として生じる可逆性の脳症であり, 頭痛, 痙攣, 意識障害, 視覚異常, 片麻痺などの神経症候を呈する3). その本態は血管原性の浮腫であるとされており, それを反映してMRIではapparent diffusion coefficient (ADC) mapで高信号を呈する4)5). 病変は, 後頭葉や頭頂葉に両側性にみられることが多いが, 前頭葉, 小脳, 脳幹, 基底核などにみられることもある1)3). その多くは,...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 40; no. 3; pp. 188 - 193
Main Authors 緒方, 敦之, 岡本, 浩昌, 坂田, 修治, 高瀬, 幸徳, 松島, 俊夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2012
日本脳卒中の外科学会
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Summary:「はじめに」posterior reversible encephalopathy syndrome(PRES)は, 高血圧, 子癇, 腎不全, 免疫抑制剤の使用などを背景として生じる可逆性の脳症であり, 頭痛, 痙攣, 意識障害, 視覚異常, 片麻痺などの神経症候を呈する3). その本態は血管原性の浮腫であるとされており, それを反映してMRIではapparent diffusion coefficient (ADC) mapで高信号を呈する4)5). 病変は, 後頭葉や頭頂葉に両側性にみられることが多いが, 前頭葉, 小脳, 脳幹, 基底核などにみられることもある1)3). その多くは, 背景因子の除去によって臨床症状, 画像所見のすみやかな改善を認め可逆的である3). しかし一方で, 病態が進行し, 梗塞や出血といった不可逆的な状態に至ることもある1)2). 今回, われわれは破裂脳動脈瘤塞栓術後に発症したPRESの1例を経験した. 文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.40.188