当院で1年間に経験した原発性冠動脈解離の2症例
原発性冠動脈解離 (spontaneous coronary artery disection ; SCAD) は稀な疾患であり, その頻度は冠動脈造影連続症例において0.1~1.1%と報告されている. 一方で, 急性冠症候群や突然死の0.1~0.28%にSCADの関与があると報告されている. SCADの原因としては動脈硬化や産褥, 冠攣縮などが挙げられているが, 原因の明らかではない特発性も散見される. 冠動脈造影が普及してきた現在で発見・報告が多くなってきているが, かつては死亡率80%で報告のほとんどが剖検例だったため重篤かつ予後不良な疾患とされていた. しかし, その重症度や予後は冠閉...
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Published in | 心臓 Vol. 48; no. SUPPL.1; p. S1_23 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2016
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Summary: | 原発性冠動脈解離 (spontaneous coronary artery disection ; SCAD) は稀な疾患であり, その頻度は冠動脈造影連続症例において0.1~1.1%と報告されている. 一方で, 急性冠症候群や突然死の0.1~0.28%にSCADの関与があると報告されている. SCADの原因としては動脈硬化や産褥, 冠攣縮などが挙げられているが, 原因の明らかではない特発性も散見される. 冠動脈造影が普及してきた現在で発見・報告が多くなってきているが, かつては死亡率80%で報告のほとんどが剖検例だったため重篤かつ予後不良な疾患とされていた. しかし, その重症度や予後は冠閉塞の有無・発症からの時間・血行再疎通の有無と梗塞サイズの大きさで規定されており, 治療が進歩した現在では急性期を乗り切れば比較的予後は良いとする報告もある. 一方, SCADに対する治療としては経皮的冠動脈形成術や冠動脈バイパス術などの血行再建の報告例があるものの明確な指針はなく, 個々の判断にゆだねられているのが現状である. 今回我々は, 1年間に当院で経験したSCADの2症例につき報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.48.S1_23 |