市中肺炎に対するtelithromycinの用量確認試験
ケトライド系抗菌薬telithromycin (TEL) の国内での至適臨床川量を確認する目的で, 市中肺炎を対象としてTEL600mg 1日1回投与 (600mg群) および800mg 1日1回投与 (800mg群) の有効性および安全性を二重盲検, 無作為化, 並行群問, 非劣性比較試験にて検討した。成績の概略は以下のとおりであった。 1. 臨床効果 臨床効果の解析対象集団は91例で, 判定不能例1例を除く有効率は, 600mg群で92・9%(39/42), 800mg群で95.8%(46/48) であり, 両群間に有意差は認められなかった。また, 再燃または再感染の有無が確認された87例...
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Published in | Japanese Journal of Chemotherapy Vol. 51; no. Supplement1; pp. 240 - 254 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本化学療法学会
2003
Japanese Society of Chemotherapy |
Subjects | |
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ISSN | 1340-7007 1884-5886 |
DOI | 10.11250/chemotherapy1995.51.Supplement1_240 |
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Summary: | ケトライド系抗菌薬telithromycin (TEL) の国内での至適臨床川量を確認する目的で, 市中肺炎を対象としてTEL600mg 1日1回投与 (600mg群) および800mg 1日1回投与 (800mg群) の有効性および安全性を二重盲検, 無作為化, 並行群問, 非劣性比較試験にて検討した。成績の概略は以下のとおりであった。 1. 臨床効果 臨床効果の解析対象集団は91例で, 判定不能例1例を除く有効率は, 600mg群で92・9%(39/42), 800mg群で95.8%(46/48) であり, 両群間に有意差は認められなかった。また, 再燃または再感染の有無が確認された87例のうち, 治験薬投与終了後の抗菌薬追加投与がなく再燃・再感染のなかった割合は, 600mg群で85.0% (34/40), 800mg群で85.1% (40/47) であり, 両群間に有意差は認められなかった。 2. 細菌学的効果 細菌学的効果の解析対象集団は90例で, 判定不能例53例を除く消失率は, 600mg群で92.9% (13/14), 800mg群で95.7% (22/23) であった。Penicillinまたはerythromycin耐性株を含むStreptococcus pneumoniaeはいずれの投与群においてもすべて消失した。 3. 安全性 安全性の解析対象集団は103例で, 有害事象 (臨床検査値異常変動を含む) 発現率は, 600mg群で41.3% (19/46), 800mg群で57.4% (27/47) であった。また, 治験薬との因果関係が否定できない有害事象発現率 (臨床検査値異常変動を含む副作用発現率) は, 600mg群で34.8% (16/46), 800mg群で50.0% (23/46) であった。 肺炎に対するTELの臨床効果および細菌学的効果において, 両群でほぼ同等の結果が得られ, 有意な差は認められなかった。また, 最終的な治療の成否を確認した非再燃・非再感染率においても両群間に有意な差は認められなかった。一方, 有害事象 (臨床検査値異常変動を含む) 発現率においても600mg群で41.3% (19/46), 800mg群で57.4% (27/47) であり・両群問に有意な差は認められなかったものの, 800mg群の副作用発現率が600mg群と比較して15%上回ったため・安全性の面からは600mgが推奨される結果となった。 以上, 有効性および安全性の結果より, 国内におけるTELの推奨至適臨床用量: は600mg 1日l回が妥当であると考えられた。 |
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ISSN: | 1340-7007 1884-5886 |
DOI: | 10.11250/chemotherapy1995.51.Supplement1_240 |