右室流出路に発生したcalcified amorphous tumorに対して上部胸骨部分切開,肺動脈幹アプローチで切除した1例

症例は35歳,男性.抗リン脂質抗体陽性の全身性エリテマトーデスにて当院内科へ通院していた.心雑音の精査のため,経胸壁心臓超音波検査を施行したところ,右室流出路に石灰化を伴う径30 mm大の腫瘤性病変を指摘された.手術は上部胸骨部分切開で行った.体外循環確立後,心拍動下に肺動脈幹を縦切開し,経肺動脈弁的に右心室を観察したところ,肺動脈弁下に高度に石灰化した腫瘤を認めた.腫瘤の剥離を行い,短時間の心停止として腫瘤を一塊に切除した.術後病理所見はcalcified amorphous tumorであった.術後12日目に独歩退院し,現在術後9カ月で再発を認めていない....

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 52; no. 6; pp. 431 - 433
Main Authors 古山, 和憲, 西田, 聡, 鷹合, 真太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.11.2023
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Summary:症例は35歳,男性.抗リン脂質抗体陽性の全身性エリテマトーデスにて当院内科へ通院していた.心雑音の精査のため,経胸壁心臓超音波検査を施行したところ,右室流出路に石灰化を伴う径30 mm大の腫瘤性病変を指摘された.手術は上部胸骨部分切開で行った.体外循環確立後,心拍動下に肺動脈幹を縦切開し,経肺動脈弁的に右心室を観察したところ,肺動脈弁下に高度に石灰化した腫瘤を認めた.腫瘤の剥離を行い,短時間の心停止として腫瘤を一塊に切除した.術後病理所見はcalcified amorphous tumorであった.術後12日目に独歩退院し,現在術後9カ月で再発を認めていない.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.52.431