多点同時マッピングによるカテーテルアブレーションにより迅速にElectrical stormから脱した心サルコイドーシスの1例
症例は68歳女性, 2004年に心室頻拍 (VT) のため他院に入院した. 心サルコイドーシスの診断でプレドニゾロンを開始し, カテーテルアブレーション, 植込み型除細動器 (ICD) 植込み術を行った. 2014年3月にVTのElectrical Storm (ES) となり同病院へ入院した. 薬剤抵抗性であり, アブレーション目的で当院へ転院した. 鎮静し人工呼吸器管理したが, コントロールは困難で, 緊急アブレーションを施行した. 大動脈内バルーンパンピングを使用し, EnSite NavXで右室, 左室をマッピングした. VTはカテーテル操作で容易に誘発されVT1 (右脚ブロック, 上...
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Published in | Shinzo Vol. 47; no. SUPPL.1; p. S1_19 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2015
Japan Heart Foundation |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.47.S1_19 |
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Summary: | 症例は68歳女性, 2004年に心室頻拍 (VT) のため他院に入院した. 心サルコイドーシスの診断でプレドニゾロンを開始し, カテーテルアブレーション, 植込み型除細動器 (ICD) 植込み術を行った. 2014年3月にVTのElectrical Storm (ES) となり同病院へ入院した. 薬剤抵抗性であり, アブレーション目的で当院へ転院した. 鎮静し人工呼吸器管理したが, コントロールは困難で, 緊急アブレーションを施行した. 大動脈内バルーンパンピングを使用し, EnSite NavXで右室, 左室をマッピングした. VTはカテーテル操作で容易に誘発されVT1 (右脚ブロック, 上方軸), VT2 (左脚ブロック, 下方軸) を認めた. VT1, VT2が容易に入れ替わったが, 多点同時マッピングを行うことにより迅速にVT1, VT2のactivation mapを作成した. 左室の下壁中隔に広範なscar areaを認め, 心尖部側への通電でVT1は停止した. その後, 右室中隔基部をマッピングし, 最早期興奮部位への通電でVT2も停止した. 多点同時マッピングにより, 迅速にカテーテルアブレーションでき, ESからの離脱に成功した1例を経験したので報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.47.S1_19 |