運動中に意識消失し先天性冠動脈奇形を認めた 1例

症例は14歳, 男児. 12歳時に運動中に失神発作を生じたことがあり, その際に某病院で精査されたが異常は認められなかった. 2012年某日サッカーの試合中に意識消失をきたし, 心肺停止となった. 直ちにコーチによって心肺蘇生が行われ, 自動体外式除細動器 (AED) の 1回作動で自己心拍再開となった. その後, 当院 3次救急救命センターに搬送された. 当院到着時の意識レベルはJCS-300であり, 挿管・人工呼吸器管理下に脳保護目的で低体温療法 (34℃) が 2日間行われた. 後日, AEDの心電図を解析したところ, 心室細動 (VF) が記録されていた. 循環・呼吸状態に問題がなかっ...

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Published inShinzo Vol. 45; no. SUPPL.2; pp. S2_55 - S2_59
Main Authors 大久保, 亮, 坪田, 貴也, 池田, 隆徳, 一林, 亮, 伊藤, 博, 本多, 満, 吉原, 克則, 橋本, 英伸, 山崎, 純一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2013
Japan Heart Foundation
Subjects
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.45.S2_55

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Summary:症例は14歳, 男児. 12歳時に運動中に失神発作を生じたことがあり, その際に某病院で精査されたが異常は認められなかった. 2012年某日サッカーの試合中に意識消失をきたし, 心肺停止となった. 直ちにコーチによって心肺蘇生が行われ, 自動体外式除細動器 (AED) の 1回作動で自己心拍再開となった. その後, 当院 3次救急救命センターに搬送された. 当院到着時の意識レベルはJCS-300であり, 挿管・人工呼吸器管理下に脳保護目的で低体温療法 (34℃) が 2日間行われた. 後日, AEDの心電図を解析したところ, 心室細動 (VF) が記録されていた. 循環・呼吸状態に問題がなかったため, 第 7病日には抜管となった. 原因検索のため, 心臓カテーテル検査を施行したところ, 左冠動脈入口部が閉鎖しており, 左冠動脈の血流は右冠動脈からの側副血行路で供給されていた. 冠動脈バイパス術を施行する方針となった. 先天性冠動脈奇形に起因して運動中にVFをきたし, 蘇生された小児例は稀であり, 文献的考察を含めて報告する.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.45.S2_55