カテーテルアブレーションにより心室頻拍がコントロールされた除細動抵抗性malignant bileaflet mitral prolapse syndromeの1例
症例は61歳男性. 以前より僧帽弁逸脱症を指摘されていた. 銀行で談笑中に失神した. 職員が心肺停止を確認しCPRを開始した. AEDが作動したものの, 救急隊到着時も心室細動は持続した. ドクターカー内で気管内挿管およびアミオダロン投与が為され当院へ搬送された. 緊急冠動脈造影で有意狭窄は認めなかった. 48時間の低体温療法後第8病日に抜管, 後遺症なく回復した. AED波形を解析すると, 心室細動 (VF) に対して2度の除細動が作動していたが, 停止後すぐにVFが再発していた. 第22病日にICD植え込み術施行したが, その後も心室期外収縮 (VPC), 非持続性心室頻拍 (NSVT)...
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Published in | Shinzo Vol. 48; no. SUPPL.1; pp. S1_84 - S1_90 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益財団法人 日本心臓財団
2016
Japan Heart Foundation |
Subjects | |
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ISSN | 0586-4488 2186-3016 |
DOI | 10.11281/shinzo.48.S1_84 |
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Summary: | 症例は61歳男性. 以前より僧帽弁逸脱症を指摘されていた. 銀行で談笑中に失神した. 職員が心肺停止を確認しCPRを開始した. AEDが作動したものの, 救急隊到着時も心室細動は持続した. ドクターカー内で気管内挿管およびアミオダロン投与が為され当院へ搬送された. 緊急冠動脈造影で有意狭窄は認めなかった. 48時間の低体温療法後第8病日に抜管, 後遺症なく回復した. AED波形を解析すると, 心室細動 (VF) に対して2度の除細動が作動していたが, 停止後すぐにVFが再発していた. 第22病日にICD植え込み術施行したが, その後も心室期外収縮 (VPC), 非持続性心室頻拍 (NSVT) が散発しており, 第27病日にICDの作動抑制目的にトリガーVPCに対するカテーテルアブレーションを施行した. 心尖部よりの側壁, 前乳頭筋近傍でペースマップおよび局所の早期性が良好, 同部位の焼灼により致死性不整脈は消失, 誘発不能となった. 術後経過も良好であった. malignant bileaflet mitral prolapse syndromeに合併する心室頻拍に対するアブレーション治療の報告は稀であり, 文献的考察とともに報告する. |
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ISSN: | 0586-4488 2186-3016 |
DOI: | 10.11281/shinzo.48.S1_84 |