在宅人工臓器治療:植込み型補助人工心臓在宅治療の現状と課題

重症心不全に対する植込み型補助人工心臓を用いた治療は心臓移植へのブリッジ使用として広く普及し、心臓移植を目的としないDestination therapyも開始されようとしている。今後植込み型補助人工心臓による循環補助下の在宅治療、そして社会復帰がさらに拡大することが期待される。このような状況において、患者の安全と安心、医療の発展を目指す上での諸課題の解決が望まれる。在宅モニタリングの発展とその有効な活用を可能とするvirtual診療、在宅看護、緊急医療体制および在宅リハビリテーションなどの遠隔または在宅診療システムの整備が必要である。職業従事、就学といった自宅以外の環境における安全と安心をい...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 137
Main Author 西中, 知博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual59.137

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Summary:重症心不全に対する植込み型補助人工心臓を用いた治療は心臓移植へのブリッジ使用として広く普及し、心臓移植を目的としないDestination therapyも開始されようとしている。今後植込み型補助人工心臓による循環補助下の在宅治療、そして社会復帰がさらに拡大することが期待される。このような状況において、患者の安全と安心、医療の発展を目指す上での諸課題の解決が望まれる。在宅モニタリングの発展とその有効な活用を可能とするvirtual診療、在宅看護、緊急医療体制および在宅リハビリテーションなどの遠隔または在宅診療システムの整備が必要である。職業従事、就学といった自宅以外の環境における安全と安心をいかにして向上させるか、補助人工心臓を装着した患者の社会生活を送るうえでの障壁をいかにして取り除くかは重要な課題である。これらの諸課題の総括とその発展的解決策を医工連携のもとに推進することが重要であると考える。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.137