医療機関における電波モニタリングの実証実験

医療機関では医用テレメータや電子カルテなど電波を利用した情報通信機器や医用電気機器の導入が急速に進み、利便性が向上している。一方で、電波が届かない等の電波的トラブルが顕在化している。このような状況の下、「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」(総務省、電波環境協議会)や「医療機関における電波利用機器に配慮した建築ガイドライン・同解説-医用テレメータ編-」(日本建築学会シンポジウムでドラフト版公表)の整備など電波管理の手立てが検討されている。本研究グループでは、医療機関における適切な電波管理をサポートする技術を提供することを目的に、医療施設内各所の電波環境を自動的に測定するとと...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 177
Main Authors 安形, 司, 川邉, 学, 加納, 隆, 石島, 透, 鈴木, 祥仁, 半田, 裕, 遠藤, 哲夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual59.177

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Summary:医療機関では医用テレメータや電子カルテなど電波を利用した情報通信機器や医用電気機器の導入が急速に進み、利便性が向上している。一方で、電波が届かない等の電波的トラブルが顕在化している。このような状況の下、「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き」(総務省、電波環境協議会)や「医療機関における電波利用機器に配慮した建築ガイドライン・同解説-医用テレメータ編-」(日本建築学会シンポジウムでドラフト版公表)の整備など電波管理の手立てが検討されている。本研究グループでは、医療機関における適切な電波管理をサポートする技術を提供することを目的に、医療施設内各所の電波環境を自動的に測定するとともに、遠隔でのモニタリングが可能なシステムを開発した。今回、新城市民病院の一般病棟(1フロア、34室、59床)の医療用台車に本モニタリングに用いる電波測定システムを約4週間設置し、各病室の無線LANの電波強度を長期間測定した。測定データはデータベースサーバに送信し電波環境に関する評価を遠隔で行う実証実験を行った。その結果、長期間のモニタリングを行うことで、瞬時値ではなく定常的な電波状況を把握することができた。また、病院スタッフの通常業務の中で病棟全体の電波管理を行うための情報を自動で収集でき、これまでは、専門業者による現地での電波環境測定およびトラブルの対策を遠隔でサポートできる可能性を見出した。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.177