痴呆患者介護者の介護負担と外来看護に求められる機能

本研究の目的は,痴呆患者介護者の抱える問題点を明らかにし,外来看護に求められる機能を検討することである。 そこで,山形県A地区老人性痴呆疾患センターを受診した介護者にアンケートを郵送し,センターの活動,介護負担の特徴,介護者の特性による介護負担の相違,早期受診が痴呆症状と介護負担に及ぼす影響の4点について調査した。 痴呆疾患センターの活動のうち,治療や診察では介護者のニーズを満たしていたが,介護方法の指導とカウンセリングについては不十分であった。 また,多くの介護者が不安と葛藤を感じていた。 女性介護者や痴呆患者と同居している介護者において,介護負担感がより強かった。 痴呆症状と介護負担に対す...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 22; no. 1; pp. 1_27 - 1_37
Main Authors 久米, 和興, 森, 文子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 1999
Japan Society of Nursing Research
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.19990401001

Cover

More Information
Summary:本研究の目的は,痴呆患者介護者の抱える問題点を明らかにし,外来看護に求められる機能を検討することである。 そこで,山形県A地区老人性痴呆疾患センターを受診した介護者にアンケートを郵送し,センターの活動,介護負担の特徴,介護者の特性による介護負担の相違,早期受診が痴呆症状と介護負担に及ぼす影響の4点について調査した。 痴呆疾患センターの活動のうち,治療や診察では介護者のニーズを満たしていたが,介護方法の指導とカウンセリングについては不十分であった。 また,多くの介護者が不安と葛藤を感じていた。 女性介護者や痴呆患者と同居している介護者において,介護負担感がより強かった。 痴呆症状と介護負担に対する早期受診の効果は認められなかった。 以上の結果より,外来看護者の役割として,介護者に対する介護指導や相談をさらに充実させることの重要性が示唆された。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.19990401001