Cefotiam市販後の臨床使用成績調査について

Cefotiam (CTM, Pansporin (R)) は, 武田薬品工業株式会社中央研究所で合成された注射用セフェム系抗生剤である (図1)。 CTMはグラム陽性菌, グラム陰性菌に対し広い抗菌スペクトラムを有し, 諸種の細菌に対して, 強い抗菌力を示すことが認められた。更にin vivoの感染防御, 治療実験においても, in vitroの抗菌力と相関して優れた効果を示した。 臨床的にも一般臨床試験並びに二重盲検比較対照試験において1~4), 本剤の有効性, 安全性が検討され, 各科領域の各種感染症に優れた有用性を示すことが確認された。 CTMは日本においては1981年2月に市販され,...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 36; no. 8; pp. 2029 - 2052
Main Authors 北口, 正, 衣非, 脩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 01.08.1983
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ISSN0368-2781
2186-5477
DOI10.11553/antibiotics1968b.36.2029

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Summary:Cefotiam (CTM, Pansporin (R)) は, 武田薬品工業株式会社中央研究所で合成された注射用セフェム系抗生剤である (図1)。 CTMはグラム陽性菌, グラム陰性菌に対し広い抗菌スペクトラムを有し, 諸種の細菌に対して, 強い抗菌力を示すことが認められた。更にin vivoの感染防御, 治療実験においても, in vitroの抗菌力と相関して優れた効果を示した。 臨床的にも一般臨床試験並びに二重盲検比較対照試験において1~4), 本剤の有効性, 安全性が検討され, 各科領域の各種感染症に優れた有用性を示すことが確認された。 CTMは日本においては1981年2月に市販され, 現在約2年を経過し, 各種感染症に広く使用されている。 新医薬品については, 市販後医薬品監視 (PMS: Postmarketing surveillance) が重要とされ, 市販後の使用条件下での有効性, 安全性の確認, 特に未知・重篤副作用の発見, 更に特殊患者層 (高齢者, 腎障害者など) への投与や, 長期投与時の有効性並びに安全性フォローアップなどを目的として組織的な調査が行われるようになつてきている。 当社においても, 新医薬品について, 製造承認以後Phase IV studyの一環として使用成績調査を実施しており, Sulbenicillin (リラシリン (R)) 5), Citicoline (ニコリン (R) 注射液) 6), Tribenoside (ヘモクロン (R)) 7) などについてその成績を報告してきた。 CTMについても, 承認以後直ちに使用成績調査を開始し, 承認後2年間に10,499症例の使用成績を収集した。今回, CTMの有効性と安全性について詳細な集計, 解析を行つたので報告する。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.36.2029