脳磁計パワースペクトル密度の認知症バイオマーカーとしての性能評価
【背景】脳磁計(MEG)を用いて計測された脳磁場は、神経細胞の活動や周囲の環境、筋神経の活動による影響を大きく受ける不規則信号である為、周波数解析には単純なフーリエ変換ではなく自己相関関数を使ったパワースペクトル密度(Power Spectral Density: PSD)が使われることがしばしばある。MEGから算出されたPSDの特徴量を、認知症および軽度認知機能障害(MCI)のバイオマーカーとして応用する研究が国際的に進められている。本研究では、先行研究で示されているPSD由来特徴量の認知症バイオマーカーとしての性能評価を行うために、本邦にて計測された200名以上のMEGデータを用いて、特徴...
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Published in | 生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 426 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2021
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual59.426 |
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Summary: | 【背景】脳磁計(MEG)を用いて計測された脳磁場は、神経細胞の活動や周囲の環境、筋神経の活動による影響を大きく受ける不規則信号である為、周波数解析には単純なフーリエ変換ではなく自己相関関数を使ったパワースペクトル密度(Power Spectral Density: PSD)が使われることがしばしばある。MEGから算出されたPSDの特徴量を、認知症および軽度認知機能障害(MCI)のバイオマーカーとして応用する研究が国際的に進められている。本研究では、先行研究で示されているPSD由来特徴量の認知症バイオマーカーとしての性能評価を行うために、本邦にて計測された200名以上のMEGデータを用いて、特徴量を群間で定量的に比較した。【方法】熊谷総合病院で計測された健常者139名、MCI38名、認知症57名の自発脳磁場よりPSDを計算し、PSDの特徴量として、中央値、α波ピーク周波数、およびシャノンエントロピーを算出した。これらの特徴量を群間で比較し、機械学習手法を使った分類精度の観点から性能評価を行った。【結果】いずれの特徴量においても、健常者、MCI、認知症の間で有意差が示された。また、機械学習による分類精度の性能評価では、特徴量選択を用いることで分類に有効である特徴量を確認することが出来た。【考察】PSD由来特徴量の認知症バイオマーカーとしての性能が再現できた。各特徴量でPSDの異なる側面を捉えていると考えられる。 |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual59.426 |