阪神・淡路大震災被災高齢者の生活力量に関する研究 : 被災4年半後の恒久住宅における一人暮らし高齢者の生活から

本研究の目的は,恒久住宅で一人暮らしをしている阪神・淡路大震災の被災高齢者の,被災4年半後の生活力量を構成する要素を明らかにすることである.10名を対象に半構造化面接を実施した.分析は,質的・帰納的方法にて行った.その結果,被災高齢者の生活力量の要素として,「被災体験を受け入れる」「すべてにあきらめをつける」「被災者同士のつながりと助け合い」「被災地の社会資源を利用する」「被災体験の気晴らし行動をとる」「恒久住宅での生活を受入れる」の6つのカテゴリーが明らかになった.被災4年半後の被災高齢者の特徴として,あきらめをつける,震災体験を受入れる等の生活力量がみられた.また,彼らは被災者同士の仲間意...

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Published in日本地域看護学会誌 Vol. 4; no. 1; pp. 69 - 75
Main Author 中山, 貴美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地域看護学会 2002
Japan Academy of Community Health Nursing
Subjects
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ISSN1346-9657
2432-0803
DOI10.20746/jachn.4.1_69

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Summary:本研究の目的は,恒久住宅で一人暮らしをしている阪神・淡路大震災の被災高齢者の,被災4年半後の生活力量を構成する要素を明らかにすることである.10名を対象に半構造化面接を実施した.分析は,質的・帰納的方法にて行った.その結果,被災高齢者の生活力量の要素として,「被災体験を受け入れる」「すべてにあきらめをつける」「被災者同士のつながりと助け合い」「被災地の社会資源を利用する」「被災体験の気晴らし行動をとる」「恒久住宅での生活を受入れる」の6つのカテゴリーが明らかになった.被災4年半後の被災高齢者の特徴として,あきらめをつける,震災体験を受入れる等の生活力量がみられた.また,彼らは被災者同士の仲間意識をもち,社会資源を利用し,助け合いを行っていた.看護職は,被災高齢者の生活力量に着目することが必要であり,力量が発揮できるように,社会資源等の地域の条件を整えていく役割がある.
ISSN:1346-9657
2432-0803
DOI:10.20746/jachn.4.1_69