要支援高齢女性の社会活動尺度の開発

目的:本研究は,要支援認定を受けた高齢女性(以下,要支援高齢女性)の社会活動尺度を開発し,尺度の信頼性と妥当性を検証することを目的とする.方法:予備調査により作成した要支援高齢女性の社会活動尺度(SASOWS)をもとに,要支援高齢女性と一般高齢女性を対象に質問紙調査を実施した.回収数は要支援高齢女性269人,一般高齢女性306人であり,そのうち要支援高齢女性253人,一般高齢女性250人を分析対象とした.結果:探索的因子分析では,予備調査で想定した【身近な人たちとの交流】【食にかかわる能動的な創作活動】【専門職への相談行動】の3因子が抽出された.確認的因子分析では,適合度指標によりSASOWS...

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Published in日本地域看護学会誌 Vol. 17; no. 2; pp. 19 - 27
Main Authors 佐伯, 和子, 平野, 美千代, 河原, 加代子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本地域看護学会 30.11.2014
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ISSN1346-9657
2432-0803
DOI10.20746/jachn.17.2_19

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Summary:目的:本研究は,要支援認定を受けた高齢女性(以下,要支援高齢女性)の社会活動尺度を開発し,尺度の信頼性と妥当性を検証することを目的とする.方法:予備調査により作成した要支援高齢女性の社会活動尺度(SASOWS)をもとに,要支援高齢女性と一般高齢女性を対象に質問紙調査を実施した.回収数は要支援高齢女性269人,一般高齢女性306人であり,そのうち要支援高齢女性253人,一般高齢女性250人を分析対象とした.結果:探索的因子分析では,予備調査で想定した【身近な人たちとの交流】【食にかかわる能動的な創作活動】【専門職への相談行動】の3因子が抽出された.確認的因子分析では,適合度指標によりSASOWSのモデルは許容できる水準を満たした.また,要支援高齢女性群と一般高齢女性群のSASOWS得点の比較では,下位尺度で両群に有意差が認められた.SASOWSとADL,IADL,主観的健康感との相関では,ADL,主観的健康感とSASOWSにはほとんど相関がみられなかった.考察:本研究の結果,信頼性および妥当性が確認された3因子からなるSASOWSが開発された.本尺度を用いた社会活動の支援は,要支援高齢女性の社会活動の維持・向上ならびに,生活に対する肯定的な感情を深め,介護予防に対する意欲の向上につながることが示唆された.
ISSN:1346-9657
2432-0803
DOI:10.20746/jachn.17.2_19