DSCと相互情報量を用いた3次元頭部CT・MR画像の自動位置合わせ法

近年,異なるモダリティから得られる画像情報を融合し,一方のモダリティだけでは得られない情報を効率的に取らえることが可能になり,診断能の向上や効率化が図られるようになった.このような画像融合(フュージョン)では,画像の位置合わせが重要となるが,頭部のCT画像とMR画像を融合して新しい診断情報を得る場合,その多くがマニュアル操作によるため,医師の負担増加や結果のばらつきが問題となっている.本稿では,脳外科手術法の一つとして用いられる,サイバーナイフ手術時の治療計画作成時に必要となる,頭部CTとMR画像の位置合わせ法について述べる.手法としては,両画像からの皮膚領域の輪郭のみを強調した2値画像を生成...

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Published inバイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 Vol. 16; no. 2; pp. 19 - 27
Main Authors 山村, 雄太郎, 早田, 大地, 金, 亨燮, タン, ジュークイ, 石川, 聖二, 山本, 晃義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published バイオメディカル・ファジィ・システム学会 15.11.2014
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Summary:近年,異なるモダリティから得られる画像情報を融合し,一方のモダリティだけでは得られない情報を効率的に取らえることが可能になり,診断能の向上や効率化が図られるようになった.このような画像融合(フュージョン)では,画像の位置合わせが重要となるが,頭部のCT画像とMR画像を融合して新しい診断情報を得る場合,その多くがマニュアル操作によるため,医師の負担増加や結果のばらつきが問題となっている.本稿では,脳外科手術法の一つとして用いられる,サイバーナイフ手術時の治療計画作成時に必要となる,頭部CTとMR画像の位置合わせ法について述べる.手法としては,両画像からの皮膚領域の輪郭のみを強調した2値画像を生成し,その画像に対してDSC(Dice Similarity Coefficient)を最適化関数として位置合わせを行う.最後に,頭部の3次元画像に対して複数の関心領域(Volume Of Interest; VOI)を設置し,そのVOI内の相互情報量が最大となるようにアフィン変換を施すことにより最終的な位置合わせを行う.提案手法をCT,MR画像の各5症例に適用し,両画像の位置合わせを行った結果に対する考察と今後の展望について述べる.
ISSN:1345-1537
2424-2578
DOI:10.24466/jbfsa.16.2_19