う蝕状況と学校保健活動との関連性に関する調査研究 : 新潟県におけるフッ化物洗口状況による観察
学校保健活動が口腔状況に及ぼす影響について検討を行いたく,新潟県下の小学校を分析の対象として,フッ化物洗口実施校263校と非実施校299校に区分して,1990年度から5年間の1年生から6年生までの永久歯のう歯(DF歯)の状況(所有者率,処置歯率,1人平均う歯数)について比較した。また,組織活動,保健教育,保健管理,地域活動の4分野25項目にわたる5年間の学校保健活動状況と,6年生のう歯の状況との関連性を検討し,以下の結論を得た。1.う歯所有者率と1入平均う歯数は,1年生から6年生まですべての学年で非実施校で多く,実施校との間で有意な差が認められ,非実施校と比べ実施校のう歯所有者率は80%前後,...
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Published in | JOURNAL OF DENTAL HEALTH Vol. 48; no. 1; pp. 38 - 51 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 口腔衛生学会
1998
Japanese Society for Oral Health |
Subjects | |
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ISSN | 0023-2831 2189-7379 |
DOI | 10.5834/jdh.48.1_38 |
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Summary: | 学校保健活動が口腔状況に及ぼす影響について検討を行いたく,新潟県下の小学校を分析の対象として,フッ化物洗口実施校263校と非実施校299校に区分して,1990年度から5年間の1年生から6年生までの永久歯のう歯(DF歯)の状況(所有者率,処置歯率,1人平均う歯数)について比較した。また,組織活動,保健教育,保健管理,地域活動の4分野25項目にわたる5年間の学校保健活動状況と,6年生のう歯の状況との関連性を検討し,以下の結論を得た。1.う歯所有者率と1入平均う歯数は,1年生から6年生まですべての学年で非実施校で多く,実施校との間で有意な差が認められ,非実施校と比べ実施校のう歯所有者率は80%前後,1人平均う歯数は70%前後である。2.学校保健活動25項目のうち実施率が80%以上ある項目は,実施校では12項目,非実施校では10項目みられる。分野別の保健活動実施平均点数は,保健管理と地域活動の2分野で実施校の点数が非実施校より高い。3.う歯の状況を3分し,そのうち上位と下位の2群で保健活動実施状況を比較すると,良好な群においては25項目の保健活動のうち実施校では20項目以上で,非実施校では17項目以上で実施率が高い。分野別に比較すると,う歯の発生抑制には実施校では保健管理分野との関連が,非実施校では保健管理と保健教育の分野との関連が強く,また,う歯の処置には実施校,非実施校ともにより多くの保健活動との関連が認められる。 |
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ISSN: | 0023-2831 2189-7379 |
DOI: | 10.5834/jdh.48.1_38 |