心室性不整脈患者における心室late potentialの長期再現性と経年変化に関する検討

背景 : 加算平均心電図による心室遅延電位 (latepotentials ; LP) の短期再現性に関する報告はいくつかあるが, 長期再現性に関する報告はない. 本研究では心室性不整脈患者における心室LPの長期再現性とその経年変化について検討した.  方法 : 対象はリスク評価目的でLPが記録され, 1年後 (症例によってはさらに 2年後) にLPを再度記録し得た心室性不整脈患者19症例 (非持続性心室頻拍13例, 心室期外収縮 6症例) である. LPのパラメータであるf-QRS, RMS40, LAS40の経年変化について評価した.  結果 : 初年度の評価でLP陽性は11例であった....

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Published in心臓 Vol. 45; no. SUPPL.1; pp. S1_8 - S1_11
Main Authors 小林, 建三郎, 阿部, 敦子, 湯澤, ひとみ, 佐藤, 秀之, 藤野, 紀之, 福永, 俊二, 岡野, 喜史, 山﨑, 純一, 池田, 隆徳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本心臓財団 2013
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Summary:背景 : 加算平均心電図による心室遅延電位 (latepotentials ; LP) の短期再現性に関する報告はいくつかあるが, 長期再現性に関する報告はない. 本研究では心室性不整脈患者における心室LPの長期再現性とその経年変化について検討した.  方法 : 対象はリスク評価目的でLPが記録され, 1年後 (症例によってはさらに 2年後) にLPを再度記録し得た心室性不整脈患者19症例 (非持続性心室頻拍13例, 心室期外収縮 6症例) である. LPのパラメータであるf-QRS, RMS40, LAS40の経年変化について評価した.  結果 : 初年度の評価でLP陽性は11例であった. 初年度と 1年後の比較において, f-QRS, RMS 40, LAS40に有意差は認められなかった. 同じく初年度と 2年後の比較においても有意差は認められなかった. LP陰性患者での陽性化, LP陽性患者での陰性化は認められなかった. また, 経過中の心血管イベントの発生は, 陽性例, 陰性例ともになかった.  結語 : 特発性心室性不整脈患者での経年後のLPの再現性は高く, 陽性例では経過中にf-QRSがさらに延長する可能性があることが示された.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.45.S1_8