骨格推定とフォースセンサを用いた持ち上げ姿勢の評価
腰痛や関節痛の発生リスクが高まる姿勢・動作に対し,現状では非接触,低拘束で最適な補助タイミング,補助力,姿勢を評価できるシステムが少ない.そのため本研究ではカメラと簡易床反力を用いて低拘束で持ち上げ姿勢が評価可能かを検証した.被験者は健常女性6名(22.5±1.0歳)とし,0kgと15kgの箱の持ち上げを行った.持ち上げ動作の動画から骨格推定を行い,関節角度や関節トルクを算出した.加えて圧力分布計からCOP,足裏に配置したフォースセンサから床反力もそれぞれ計測した.持ち上げ姿勢の評価指標として,最大関節トルク,関節屈曲角度,COP(center of pressure)の仮説を立てた.予め動画...
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Published in | 生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 364 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2021
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Summary: | 腰痛や関節痛の発生リスクが高まる姿勢・動作に対し,現状では非接触,低拘束で最適な補助タイミング,補助力,姿勢を評価できるシステムが少ない.そのため本研究ではカメラと簡易床反力を用いて低拘束で持ち上げ姿勢が評価可能かを検証した.被験者は健常女性6名(22.5±1.0歳)とし,0kgと15kgの箱の持ち上げを行った.持ち上げ動作の動画から骨格推定を行い,関節角度や関節トルクを算出した.加えて圧力分布計からCOP,足裏に配置したフォースセンサから床反力もそれぞれ計測した.持ち上げ姿勢の評価指標として,最大関節トルク,関節屈曲角度,COP(center of pressure)の仮説を立てた.予め動画から被験者を「良い持ち上げ姿勢」「悪い持ち上げ姿勢」に分類し,評価指標と結果との整合性を確認した.結果として15kg持ち上げ時の良い姿勢では最大トルクとなるタイミングの一致度が低かった.関節角度について姿勢ごとに顕著な差がみられたのは膝関節のみであった.前後方向の重心移動について,良い持ち上げ姿勢では変動が小さく,5回の試行について再現性が高かった.以上より本研究の条件下では,持ち上げ姿勢の評価指標として「関節角度変化」「COP変動」が適当である可能性が示された.また最大関節トルクタイミングの一致度については,「良い持ち上げ姿勢」を評価することは難しかったが,新たに荷物引き寄せ動作の判別に使用できる可能性があった. |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual59.364 |