手術器械のコンテナセット最適化のための定量評価手法
手術器械は,コンテナに格納された状態で滅菌・保管されており,中央滅菌センターでセット組み作業が行われている.手術器械セットの構成内容は,医療従事者の経験的裁量によって決められているため,必要本数よりも過多傾向にあり,未使用のまま繰り返し滅菌作業が行われる現状にある.洗浄・滅菌工程は高温高圧条件下で実施されるため,繰り返し負荷がかかることで故障の原因となるため,医療安全の観点からも器械定数の最適化が求められる.本研究では,定量的なコンテナセットの最適化を実現するため,RFIDタグ付き手術器械を用いて使用率の定量評価を行う.方法として,手術室で使用済み/未使用の手術器械を分類し,中央滅菌センターに...
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Published in | 生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 564 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本生体医工学会
2021
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ISSN | 1347-443X 1881-4379 |
DOI | 10.11239/jsmbe.Annual59.564 |
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Summary: | 手術器械は,コンテナに格納された状態で滅菌・保管されており,中央滅菌センターでセット組み作業が行われている.手術器械セットの構成内容は,医療従事者の経験的裁量によって決められているため,必要本数よりも過多傾向にあり,未使用のまま繰り返し滅菌作業が行われる現状にある.洗浄・滅菌工程は高温高圧条件下で実施されるため,繰り返し負荷がかかることで故障の原因となるため,医療安全の観点からも器械定数の最適化が求められる.本研究では,定量的なコンテナセットの最適化を実現するため,RFIDタグ付き手術器械を用いて使用率の定量評価を行う.方法として,手術室で使用済み/未使用の手術器械を分類し,中央滅菌センターにおいて管理システムへ登録した.対象として,ソケイヘルニア手術セット(47本18種類)とした.さらに,手術器械の構成内容を見直し,その有効性について評価した.結果として,対象期間中に行われた74回の手術における手術器械の総使用率は65%だった.手術器械の種類ごとの使用率に着目すると,使用率が低い手術器械はアリス鉗子(10%),扁平鉱 大(16%)等だった.本結果を基に医師と看護師で構成内容を見直し,手術器械を11本削減するとともに除外した手術器械(5種類)を単包化した.見直し後の手術において,準備した単包器材のうち3種類のみが使用された.本研究により,コンテナセットの定量的な最適化が実現できたと考えられる. |
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ISSN: | 1347-443X 1881-4379 |
DOI: | 10.11239/jsmbe.Annual59.564 |