卓球フォアハンド打法における上肢動作の定量評価手法の提案

卓球の技術を習得し易くするには未経験者と熟練者の違いを定量的に明らかにする必要がある.本研究では着目する関節や部位における加速度の再現性と筋発揮タイミングに着目し,各部の加速度,表面筋電図,ボール射出タイミングからフォアハンド打法の再現性と筋発揮タイミングに着目する定量評価手法をそれぞれ提案した.被験者は健常成人とし,卓球経験10年以上の熟練者3名,未経験者3名の計6名(21.3±0.9歳)を対象とした.加速度センサを肩,肘,手甲の3箇所に装着し,筋電図計測器を三角筋前部と三角筋後部,上腕二頭筋,上腕三頭筋の4箇所に装着した.本実験では再現性を評価する手法として,加速度センサから得た各部位の加...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 363
Main Authors 三浦, 弘喜, 王, 天一, 岡田, 志麻, 牧川, 方昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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Summary:卓球の技術を習得し易くするには未経験者と熟練者の違いを定量的に明らかにする必要がある.本研究では着目する関節や部位における加速度の再現性と筋発揮タイミングに着目し,各部の加速度,表面筋電図,ボール射出タイミングからフォアハンド打法の再現性と筋発揮タイミングに着目する定量評価手法をそれぞれ提案した.被験者は健常成人とし,卓球経験10年以上の熟練者3名,未経験者3名の計6名(21.3±0.9歳)を対象とした.加速度センサを肩,肘,手甲の3箇所に装着し,筋電図計測器を三角筋前部と三角筋後部,上腕二頭筋,上腕三頭筋の4箇所に装着した.本実験では再現性を評価する手法として,加速度センサから得た各部位の加速度の自己相関を計算し,相関係数を評価する手法を提案した.また筋電図信号を整流化した後に積分フィルタを用いて筋発揮タイミングを評価した.結果として,再現性に着目したとき熟練者と未経験者で類似した数値となるものが存在した.これは正しい動作でなくても再現性が高ければ良い結果となることが考えられる.したがって,加速度の自己相関係数では熟練者と未経験者の違いを判断するには限界があると推察できる.対して,熟練者のフォアハンド打法における筋発揮タイミングは三角筋前部,後部,上腕二頭筋に統一性がみられたため,フォアハンド打法には正しいとされる筋発揮タイミングが存在すると推測できる.
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.363