固相マイクロ抽出/ガスクロマトグラフィー/質量分析法による水中の水溶性化学物質の一斉定量
固相マイクロ抽出/GC/MSを用いて環境水及び工場排水中の水溶性化学物質26種 (アルコール類, アクリル酸エステル類, エーテル類, ピリジン類等) の一斉分析法を開発した. 最初にGC条件の検討を行い, 続いてSPMEファイバーの抽出率を向上するためのファイバーの種類, 塩の種類, 抽出時間及び試料容量の検討を行った. 完成した方法は, 試料水に塩析剤として塩化ナトリウムを加え, 直接浸漬法で1時間抽出した後, GC/MS-SIMで測定するものである. 精製水における0.01~5μg/lでの添加回収試験結果は, 回収率の平均が99.9%, 相対標準偏差の平均が11.7%であった. また,...
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Published in | 分析化学 Vol. 50; no. 10; pp. 685 - 693 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本分析化学会
05.10.2001
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Summary: | 固相マイクロ抽出/GC/MSを用いて環境水及び工場排水中の水溶性化学物質26種 (アルコール類, アクリル酸エステル類, エーテル類, ピリジン類等) の一斉分析法を開発した. 最初にGC条件の検討を行い, 続いてSPMEファイバーの抽出率を向上するためのファイバーの種類, 塩の種類, 抽出時間及び試料容量の検討を行った. 完成した方法は, 試料水に塩析剤として塩化ナトリウムを加え, 直接浸漬法で1時間抽出した後, GC/MS-SIMで測定するものである. 精製水における0.01~5μg/lでの添加回収試験結果は, 回収率の平均が99.9%, 相対標準偏差の平均が11.7%であった. また, 検出限界は0.005~3.9μg/lであった. 本法を実際の環境試料 (河川水, 海水) や工場排水の分析に用いた. その結果, 環境試料から1-プロパノール, ピリジン, 2-ブトキシエタノール, ジメチルスルホキシド等が, 工場排水から2-プロパノール, アセトニトリル, ピリジン, ジメチルスルホキシド等が, 数十ng/l~数十μg/lのレベルで検出され, 本法は清澄な試料だけでなく, マトリックスの多い試料水にも十分適用できることが確認された. |
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ISSN: | 0525-1931 |
DOI: | 10.2116/bunsekikagaku.50.685 |