体圧に関連する寝具条件の検討
褥瘡予防と安楽性保持の上から、臥床時の体圧と寝具条件との関連性を検討した。7種類の寝具条件について、荷重による沈み込み率を測定したところ、ベッドにスプリングマットレスを置いた場合(ベッド式)に比べ、畳上にウレタンマットを置き、布団を敷いたり、布団だけ2枚敷いた場合(布団式)の方が沈み込み率が大きかった。中でも、ウレタンマットと布団1枚、あるいは既使用布団2枚の条件が最も沈み込み率が大きかった。 後頭部、肩甲部の体圧はベッド式のときが高く、仙骨部、踵部の体圧は既使用布団のときが高かった。下肢屈曲時は、仙骨部、踵部の体圧は下肢伸展時の2倍以上となった。下肢屈曲時の体圧増加傾向は、仙骨部の場合、い...
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Published in | 日本看護研究学会雑誌 Vol. 12; no. 3; pp. 3_9 - 3_15 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本看護研究学会
1989
Japan Society of Nursing Research |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2188-3599 2189-6100 |
DOI | 10.15065/jjsnr.19890701001 |
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Summary: | 褥瘡予防と安楽性保持の上から、臥床時の体圧と寝具条件との関連性を検討した。7種類の寝具条件について、荷重による沈み込み率を測定したところ、ベッドにスプリングマットレスを置いた場合(ベッド式)に比べ、畳上にウレタンマットを置き、布団を敷いたり、布団だけ2枚敷いた場合(布団式)の方が沈み込み率が大きかった。中でも、ウレタンマットと布団1枚、あるいは既使用布団2枚の条件が最も沈み込み率が大きかった。 後頭部、肩甲部の体圧はベッド式のときが高く、仙骨部、踵部の体圧は既使用布団のときが高かった。下肢屈曲時は、仙骨部、踵部の体圧は下肢伸展時の2倍以上となった。下肢屈曲時の体圧増加傾向は、仙骨部の場合、いずれの寝具条件においても認められたが、踵部の場合は、未使用布団のほうに顕著に認められた。男子の場合は、既使用布団だけでなく、未使用布団でも仙骨部の体圧が高かった。体格の相違では、やせ型の場合、既使用布団だけでなく、ベッド式でも仙骨部体圧が高かった。一般に畳に布団式より、ベッド式の方が強い圧迫の緩和に効果的であったが、やせ型体格や男子の場合は、ベッド式でもなお圧迫緩和の工夫が必要であると考えられた。 |
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ISSN: | 2188-3599 2189-6100 |
DOI: | 10.15065/jjsnr.19890701001 |