ニューロリハビリテーションでの利用を想定した高密度近赤外分光計測ウェアラブル装置の開発

脳損傷からの機能回復過程において当該機能領野とは異なる部位が機能代償を担うことが近年報告されている。受傷後の予後予測、回復意欲の維持、そして訓練効果の最大化を図るためには、機能回復訓練において脳の機能活動が再編する過程を観測することが重要である。機能回復訓練時の被験者の皮質活動を非侵襲かつ十分な時間分解能で計測しうる手法として機能的金赤外分光法(fNIRS)が挙げられるが、市販装置の多くは 1) チャンネル間距離が皮質脳回に比べて大きすぎ、2) 皮膚血流の影響をリアルタイムで除去できない、などの課題を有している。いままでに我々は、課題1に対しては三点複向計測法(Yamada et al., 2...

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Published in生体医工学 Vol. Annual59; no. Abstract; p. 582
Main Authors 松田, 圭司, 川口, 拓之, 大橋, 三男, 肥後, 範行, 山田, 亨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本生体医工学会 2021
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ISSN1347-443X
1881-4379
DOI10.11239/jsmbe.Annual59.582

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Summary:脳損傷からの機能回復過程において当該機能領野とは異なる部位が機能代償を担うことが近年報告されている。受傷後の予後予測、回復意欲の維持、そして訓練効果の最大化を図るためには、機能回復訓練において脳の機能活動が再編する過程を観測することが重要である。機能回復訓練時の被験者の皮質活動を非侵襲かつ十分な時間分解能で計測しうる手法として機能的金赤外分光法(fNIRS)が挙げられるが、市販装置の多くは 1) チャンネル間距離が皮質脳回に比べて大きすぎ、2) 皮膚血流の影響をリアルタイムで除去できない、などの課題を有している。いままでに我々は、課題1に対しては三点複向計測法(Yamada et al., 2018)を、課題2に対しては血流動態分離法(Yamada et al., 2012)を、個別に克服技術として提案し、検証を行ってきた。今回、これらの技術を集約実装したウェアラブルな装置を設計・試作したので、評価実験の結果と併せて報告する。
ISSN:1347-443X
1881-4379
DOI:10.11239/jsmbe.Annual59.582