新生児感染症に対するLatamoxefの評価

Latamoxef (LMOX) はβ-Lactamaseに安定で, グラム陰性桿菌に広く強い抗菌力を示し, 家兎黄色ブドウ球菌性髄膜炎における髄液中移行は既存のβ-Lactam剤のうちで最も優れており1, 2), その後小児科領域における臨床的検討の結果, 化膿性髄膜炎に有用であることが示された3)。 新生児期の重症感染症では, B群溶連菌と並んでEscherichia coli をはじめとするグラム陰性桿菌が多く4, 5), しかも敗血症, 髄膜炎の相互合併率が高い6, 7)。新生児感染症は症状所見に乏しく, 診断が遅れやすいから, 新生児期に適格な抗生剤の1つの資格は, 髄膜炎にも有効で...

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Published inThe Japanese Journal of Antibiotics Vol. 36; no. 9; pp. 2359 - 2363
Main Authors 小林, 裕, 黒木, 茂一, 春田, 恒和, 大倉, 完悦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益財団法人 日本感染症医薬品協会 01.09.1983
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ISSN0368-2781
2186-5477
DOI10.11553/antibiotics1968b.36.2359

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Summary:Latamoxef (LMOX) はβ-Lactamaseに安定で, グラム陰性桿菌に広く強い抗菌力を示し, 家兎黄色ブドウ球菌性髄膜炎における髄液中移行は既存のβ-Lactam剤のうちで最も優れており1, 2), その後小児科領域における臨床的検討の結果, 化膿性髄膜炎に有用であることが示された3)。 新生児期の重症感染症では, B群溶連菌と並んでEscherichia coli をはじめとするグラム陰性桿菌が多く4, 5), しかも敗血症, 髄膜炎の相互合併率が高い6, 7)。新生児感染症は症状所見に乏しく, 診断が遅れやすいから, 新生児期に適格な抗生剤の1つの資格は, 髄膜炎にも有効であることと言つても過言ではないであろう。本剤はグラム陽性菌に弱く, B群溶連菌に対する抗菌力は6.25μg/ml程度である8) が, グラム陽性菌を他剤で補えれば, 上述の本剤の性格は, 新生児期における使用に適切と考えられたので, 周産期研究会が組織された。われわれもその一員として若干の成績を得たので報告する。
ISSN:0368-2781
2186-5477
DOI:10.11553/antibiotics1968b.36.2359