「看護婦・士-患者相互行為における目標達成」と「看護婦・士-患者相互行為における満足感」に関する概念分析 : キング目標達成理論の検証に向けて
本研究の目的は、キング目標達成理論の検証に向けて、同理論の概念「看護婦・士-患者相互行為における目標達成」及び「看護婦・士-患者相互行為における満足感」に関する属性の定義と、各々の経験的指標となる測定用具の要件を明らかにすることである。研究方法論には、WalkerとAvant(1995)の方法による概念分析を用いた。その結果、「看護婦・士-患者相互行為における目標達成」の属性は、「看護婦・士と患者が、共に価値づけ、望み、欲している健康への到達、保持、回復、あるいは人間としての尊厳を保ちつつ死に臨むことを、相互行為を通して実現すること」と定義された。また、その経験的指標となる測定用具は、(1)専...
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Published in | 看護教育学研究 Vol. 9; no. 1; pp. 15 - 25 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本看護教育学学会
2000
Japan Academic Society of Nursing Education |
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0917-6314 2432-0242 |
DOI | 10.19015/jasne.9.1_15 |
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Summary: | 本研究の目的は、キング目標達成理論の検証に向けて、同理論の概念「看護婦・士-患者相互行為における目標達成」及び「看護婦・士-患者相互行為における満足感」に関する属性の定義と、各々の経験的指標となる測定用具の要件を明らかにすることである。研究方法論には、WalkerとAvant(1995)の方法による概念分析を用いた。その結果、「看護婦・士-患者相互行為における目標達成」の属性は、「看護婦・士と患者が、共に価値づけ、望み、欲している健康への到達、保持、回復、あるいは人間としての尊厳を保ちつつ死に臨むことを、相互行為を通して実現すること」と定義された。また、その経験的指標となる測定用具は、(1)専門的知識・技能・態度を駆使した看護過程展開、(2)開放的で適切なコミュニケーションの維持と知覚の一致促進、(3)相互行為への患者の積極的参加促進、(4)医療従事者との相互行為における役割遂行、(5)組織人としての役割遂行という5つの側面から、看護婦・士の行動の適切性を測定するという特性を具備している必要があることが明らかになった。一方、「看護婦・士-患者相互行為における満足感」の属性は、「看護婦・士と患者の心的活動であり、看護婦・士、患者個々人の価値観と相互行為において起こっているできごとが合致している状態である。それは、看護婦・士と患者が目標達成をめざして行動する原動力となるとともに、直接観察することはできないが、行動から推論することができる。」と定義された。また、その経験的指標となる測定用具は、看護婦・士、あるいは患者に対し、看護婦・士-患者相互行為におけるできごとと価値観との合致の程度を測定するという特性を具備している必要性が明らかになった。 |
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ISSN: | 0917-6314 2432-0242 |
DOI: | 10.19015/jasne.9.1_15 |